アウトソーシングとコア・コンピタンス
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アウト・ソーシングとは
「Out」+「Sourcing」
直訳して外部と資源で、「外部資源化」と訳されています。
いわゆる、「自社の資源を外部化すること」または「外部の資源を活用すること」として解釈して下さい。
広義的アウト・ソーシング
狭義的アウト・ソーシング
図にすると、こんな感じでしょうか。
基本的なこととして、
外部との連携(外部資源の活用)をアウトソースと言い、その対象となる外部の会社、組織、個人をアウトソーサーと言います。
例えば・・・
弁護士や会計コンサルタントなどもアウトソーサー的存在。
デパートやアウトレットなどのショップを運営代行している販売代行会社も。
ファブレス企業と言われる工場を持たないメーカーは、その製造をアウトソースしたことになる。
従業員の毎月の給料の計算を内部で行なわず、給与計算専門の会社に委託することも。
自社のホームページの運営・管理を専門業者に委託することもアウトソース。
営業を委託する営業代行、セールスフォースも同様。
アフィリエイトなども宣伝、販売を委託したことになる。
運搬、配達などを専門業者に依頼することもアウトソース。
輸入転売をネット上で行なう方で、AMAZONなどに全ての作業をお願いしているのも同様。
アウトソーシングの目的は、コア・コンピタンス
個人事業でも会社でもそうですが、事業における業務(タスク)をいかに、シンプルに、明瞭に、身軽にするか、ということが効率化、迅速化、コスト削減、リスク低減などに影響付けられています。
そのために、自己能力の弱みや専門外などを外部(アウトソーサー)にお願いすることで、自らの専門分野、能力、リソースなどに注力、強化することができ、コア・コンピタンス化を図ること=ケイパビリティ強化へとつながるのです。
コア・コンピタンス(Core competence)とは
企業または個人の持つ、「核(コア)となる能力(コンピタンス)」であり、「顧客に対して、他社に真似のできない価値を提供出来る自己能力」と意義付けされているものです。
価値提供という概念から言うと「バリュー・プロポジション」、プロモーション的な概念ですと「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」に繋がります。
「あなたの強みは何ですか?」という問いに答え得るモノ(能力)です。
ですから、それだけは絶対に誰にも任せられないタスク、あるいはそれ以上分離出来ないコンピタンスとなるものです。
コアの能力ではない、ノンコアの能力を磨き上げるために、時間とお金をかけて向上させるような展開、スピードですと、事業タイミングや市場・顧客に対する価値の提供も遅れてしまいます。
あるいは、ノンコアを磨くこともせず低サービスで提供してしまうと、評判が落ち、ビジネスにならないことも多々あるわけです。
結局、アウトソースすることは、自分に足りないこと、自分では面倒なことにエネルギー(時間、労力など)をムダに消費しないように、他社(他者)とタッグを組んでそれらをお願いし、自分の本来やるべきことにエネルギーをかけて、洗練し、より良いサービス、ビジネス・事業を行なうことになるのです。
※ちなみに、全てを自分自身(自社内)で行なうことをイン・ソースと言います。
個人で営業・販売系のビジネスを行ないたいと考えている人で、商品・プロダクトを自分で作ることが面倒な方は、他社・他者の商品・プロダクトを利用したり、アイデアがあるなら、それを試作から製品化までを委託することも可能です。
あるいは、
インターネットを苦手とする店舗や中小企業を見つけ、インターネットでの販売や宣伝を代わりに行なう、ということも、ネットビジネスが得意な方は可能になります。
各々、得意な点を活かし、不得意な点を補い、Win-Winの関係を築くことができる戦略がアウトソーシングなのです。
アウトソーシングのメリット、デメリット
アウトソーシングのメリット
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アウトソーシングのデ・メリットと解決策
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『 パートナー』とは、仲の良い友達ではありません。
確かに、知っている人の方が安心ということもありますが、知っている人だからこそ、色々と問題も出てきます。
ビジネスに絡める場合は、知っている人、仲の良い友達‥‥ではなく、『ビジネス・パートナー』を正しく選択する必要があります。
『ビジネス・パートナー』の考え方
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『パートナー』は、結婚相手として想えるくらい大事な関係です。
そこには、成功するために存在する関係にはなりますが、失敗をすることも踏まえた上で、互いに乗り越えていけるような関係である必要があります。
要するに、ビジョン、価値観、目的などが共感出来る方であり、上下関係ではなく、横の関係を主とした存在として素晴らしい『パートナー』であるということです。
苦しいことを一緒にわけあった仲間が 本当の仲間だ。
このくらいの仲間(パートナー)がいるといいでしょう。
創立期に藤沢武夫って経営の名人に巡り合えて、二十数年も一緒に仕事をしてきた。世間の人たちは、俺と藤沢のことを水と油だとか、太陽と月だとかに例えて言っているようだけど、若いころに腹をぶち割って話し合い、互いの長所を心底認め合ったんだ。ちょっとやそっとじゃ壊れる仲じゃない。男同士の友情なんて派手な言葉は好きじゃないが、他人に友情を求めるなら相手の秘密を絶対に守ること。人間親しくなれば当然相手の不可侵領域まで立ち入るようになる。それを軽々しく他人に喋るようじゃ、友情だの信頼だのが成り立つわけがないよね。
「パートナー」とトラブルにならないために
「パートナー」となる人が、まだ付き合いが浅いとか、逆に長い付き合いで死ぬまで仲間でいたいと思う場合は、トラブルにならないように、曖昧な約束をしないことです。
仲が良ければ良いほど、口約束ではなく、書面にすることをおススメします。
「信じてたのに・・・」とならないためのことでもあり、実際の話しを聞いても、ビジネスが順調で利益が出始めると、取り分(利益配分)の問題、ビジョンの変化、価値観の相違などでトラブルが生じ、最終的に決裂してしまうことがあります。
契約書という固いものでなくても、打合せ事項とか覚書などの名称で書面化しておくことが無難です。
特に、ビジネスが良い方向に進む場合もそうですが、失敗した場合も同様に決めておきます。株配分がある場合も、同様に決めておく、あるいは見直すことをおススメします。
起業において、投資して下さる場合も同様です。
知人だからといって、甘えて投資を受けると、後々トラブルになる場合も多々あります。その辺りは、細かく決めていくことです。
どちらにしても、信念や情熱をもって活動すれば、良いパートナーに出会えると信じましょう。
では、この「アウトソーシング」を戦略的に考えることで、ビジネス・事業における強固な状態、新展開、ファウンダーの思考につながることを別ページ「戦略的アウトソースとコア・コンピタンス経営」でお話しします。