「リスク・テーキング」は “意思決定” の一つです。
 これを行なうために「リスク・マネジメント」を理解する必要があります。これを習得することは、自社・自己のためでもありますが、さらに、顧客(消費者)に対するビジネス・オファーにおいて重要である、と言えるでしょう。何故なら、「リスク・マネジメント」を理解することで、お客・他者・自身のリスク(特に、痛みや迷いなど)を適切かつ合理的に、解決することが可能だからです。

リスクは、
あなたが何を行なっているのか、知らないことが原因だ。

by. ウォーレン・バフェット

「リスク」とは

多くの方は、「リスク」をマイナスのイメージで捉えてしまいます。

成功する人と成功しない人の差は、ここで(も)大きく開きます。

先ず、「リスク」は “危険” ではナイということです。

リスクは、利得性(便益性)と損失が混在しているもの

リスクとは,リスクマネジメント,リジカーレ,利得性と損失性

「ハイリスク・ハイリターン」や「ローリスク・ローリターン」などに使われていますが、『リスクが高い!』という安易な(平均的な)バイアス(=思い込み)で、人は決断しない、あるいは行動しないということが数多くの場面であります。

大抵、理論的、科学的ではなく、ただの気持ち(感情論)と感じます。(リスクが何か?を把握していない時の方が多いとも言えます)

リスクの語源は、イタリア語の「リジカーレ」からという説。

「リジカーレ」とは『勇気を持って試みる』という意味で、チャンスに対して、勇気を持ってチャレンジするか、しないかということ。

言葉の意味は ”分かった” としても、行動できるかできないかは別の問題です。

行動できない場合、単純に「リスク」というものを誤解しているか、「リスク」を間違えているか、「リスク」の対処の仕方を知らない‥‥などの現状があるからかもしれません。

リスクは、
あなたが何を行なっているのか、知らないことが原因だ。

つまり、知っていれば良い方向に解決する、と捉えることができます。

リスクを知る理由

リスクを知ってもらう理由は2つ。

リスクを知る,理由,リスクマネジメント

(1)リスクマネジメントするため

(2)人の痛みや不安を取り除く方法を知るため  です。

人生において、リスクがゼロになることはありません。生きていること自体がリスクです。

行動しない、というリスクも存在してます。

どのようなリスクがあるのかを理解し、どのリスクを背負うか‥‥ということを考え、リスクをチャンスに変える者だけが “優位” に立ちます

圧倒的優位を手に入れた人たち

リスクが大きければ大きいほど、そこから得られる利得が大きいということ。

昔も今も変わらないため、リスクを超えられる力を得ることができます。

失敗は、人生の免疫である。味わい尽くし、分析せよ。

by. 中島義道[哲学者]

リスクから逃げたいのは、他の人も同様です。

誰しも、リスクを背負いたくありませんし、回避したいと常に思っています。

同時に、「利得」を容易に得たい、と願っています。

だから‥‥「詐欺」に遭うのです。

「ローリスク・ハイリターン」を望んだからでしょう。

一般的には、人間の持つリスクに対する不安回避法、改善法などがあれば、興味を抱くことは多々あります。

ダイエット活動や化粧行為だって、リスク回避の現れです。

健康食(アプリなど)や生命保険だって、リスク低減のための商品なのです。

そこに、ビジネスのネタが転がっていることになります。

人は、何に不安を抱き、何を恐れているのか・・・。

それが分かっていても・・・という方が身につけなければならないのが、

リスク・マネジメント」です。

リスク・マネジメント

リスク・マネジメントは難しい!』と考えてしまうと、避けようとします。

(別に、知っても危険はないのですが‥‥。)

リスクテーキング,リスクマネジメント,リスクの種類

リスク・マネジメント」でやるべきことは、

(1)「リスク」の種類を理解する

(2)「リスクテーキング」を行なう

です。

リスク・マネジメント概略

「リスク・マネジメント」の概略を、次にまとめてみました。

リスク概念,リスク処理,リスクマネジメント

リスク・マネジメントの構成として、「リスク概念」と「リスク処理」に分類できます。

リスクに対する一般的なイメージは、「ペリル(事故)」についてであり、それも思い込みであったりします。

本来、「ハザード」「リスク」「ペリル」「ロス」を理解した上で、リスクが高い、リスクが低いと判断できれば良いのでしょう。

そして、マネジメントは「リスク処理」まで行ないます。

予想される「リスク」「ロス」などを、いかに低減・回避するか‥‥ということになります。

それが、「情報活動」「企画活動」「選択活動」「実施、フィードバック」です。

リスクをゼロにすることはできませんが、減らすことは可能だということ。

これを実践の中で身に付け、取り組むことができれば、「優位に立つ」ことができるということになります。

リスク」の種類

「リスク」は、大分類として次の3つです。

3大リスク,心理的リスク,動的リスク,静的リスク,リスクマネジメント

(1)静的リスク

純粋リスクとも言われます。

事件、事故、自然災害などの偶発的な事象です。

このリスクは、利得性は低く、損失性が高いものです。

想定範囲の損失対策は容易です。

例えば、
子ども独りで歩かない、暗闇を歩かない、催涙スプレーなどを所持する、護身術として合気道を習う、損害保険加入、災害非難対策の実施・・・等

(2)動的リスク

投機リスクとも言われます。

政治、社会、経済、経営など外的変動が予測できないものです。

このリスクは、損失性もありますが、利得性も十分にあるということです。

損失対策は難しいリスクにはなります。

(3)心理的リスク

人は皆対象となる、利得性も損失性も存在するリスクです。

行動によってつながる感情、精神、心身に対するリスクであるため、自己分析できる人は予想しやすいもの。つまり、対策は容易です。

例えば、
甘い物を食べると幸せな感覚になることで、つい食べ過ぎてしまう(=太る、血糖値が上がる、などの影響)。

心理的リスクは、ニーズ・ウォンツに深く関わっています。

例えば、
快楽を得たい感情より、苦痛を回避したい感情のほうが、消費行動を起こしやすい・・・というのも心理的リスクによるものです。

ダイレクトマーケティングや感情マーケティングというのは、これを対策したマーケティングであると言えるわけです。

ポイントになることは、「リスクは、常に変動・変化する」ということです。

リスクの大小は、リスクの大きさではなく、
リスクの性格で判断する。

by. ピーター・ドラッカー[経済学者]

4つのリスクとリスクテーキング

リスク・テーキング」とは、リスクに対する意思決定のことです。

リスクを理解した上で選択し、それを背負って行動することと考えることができます。

(リスクを知らずに起こす行動を “不安全行動” と言います。)

身近な例でいうと、

  • 交通事故というリスクを背負って、自動車の運転をする。
  • 捕まるリスクを背負って、電話しながら車の運転を行なう。
  • 食あたり、毒のリスクを背負って、生肉やふぐ料理などを食べる。
  • 病気になるリスクを背負って、喫煙、飲酒をやめない。
  • 解雇を覚悟の上で、社長・上司に進言する。

等々。

普段の生活の中で、人は「リスク・テーキング」を行なっています。

ただ、そこにあるリスクを理解せず、行動する、あるいは行動しない、ということも実際には存在することを理解する必要があります。

この「リスク・テーキング」をどのように考えていくのか?

参考になるのが、ピーター・ドラッカー氏の「4つのリスク」です。

「4つのリスク」

負うべきリスク
本質に付随するリスクです。
予測も対策も可能なものです。
例:運送会社なら交通事故や商品破損など
宝飾店なら盗難や接客クレームなど
飲食店なら食中毒など
製造会社なら不良品や減産、資材価格高騰など
負えるリスク
失敗などで、多少の資金や労力を失うリスクです。
対策が可能です。
例:製造会社ならライン増設、新作投入など
化粧品会社なら新商品開発など
飲食店なら店舗改築、設備投入など
負えないリスク
失敗などで、膨大な損失があるリスクです。
また、成功しても、その成功を利用できないものも、このリスクです。
例:リソースに見合わない投資、事業拡大など
負わないリスク
リスクを負わないことで生じるリスクのことです。
機会(チャンス)損失における取り戻せないリスクになります。
チャンスを逃して大損するということです。
行動しないリスクがここに該当します。
例:新規業界や新規事業などの参入の機会遅れなど

この「負わないリスク」については、ドラッカー氏は次のように語っています。

勿論、何かを起こすにはリスクが伴う。しかしそれは合理的な行動である。何も変わらないという居心地のよい仮定に安住したり、ほぼ間違いなく起こることについての予測に従うよりも、リスクは小さい。

(ピーター・ドラッカー「創造する経営者」より)

大抵の人・会社は、「負うべきリスク」までは考えます。

「負えるリスク」と「負えないリスク」は、その都度の分析がものをいいます。

そして、成功・成長・発展させたいのなら、「負わないリスク」を減らし、マネジメントを行ないながら、「負うべきリスク」「負えるリスク」に近づけることがポイントになります。

この4つのリスクを選択することが、「リスク・テーキング」ということです。

事業の経営も人生も同様だと思います。

リスク・テーキング」をいかに行なっていくのか・・・それは、リスクを理解し、その対処を的確・明確にしていく知識や能力を身に付けることです。

それが、「リスク・マネジメント」ということになります。

サラリー生活のリスク

サラリーマンのリスクマネジメント