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「ライバル」を考えよう
マーケット上で出てくる3者の1者「ライバル」の存在。
これについて考えていきたいと思います。
そもそも「ライバル」とは誰のことでしょう?
同業他者ですか? 競合者ですか? あるいは社内の先輩後輩ですか?
この「ライバル」について調べることも必要です。いわゆる「ライバル・リサーチ」「他者リサーチ」です。
「ライバル」の存在は、どのマーケット上でもいます。逆に「ライバル」のいないところでは、ビジネスにはなりません。
その位置づけは、多種多様です。
ライバルは敵にあらず
基本的なこととして、「ライバル」とは「敵」という概念ではなく、
「何らかの競争相手において、好ましい状態変化を促す存在」
と私は伝えています。
ということは、特に同業他者でなくてもいいわけです。
「ライバル」がいないということは、好ましい状態変化として成長することはできませんので、必ず「ライバル」の存在を位置づけます。
問題は、誰を「ライバル」とするか‥‥なのです。
その「ライバル」は、実はポジショニングや商品・サービスによって変わってきます。
逆も然りで、「ライバル」を知ることで、ポジショニングや商品・サービスの変更もあり得る話しなのです。
「ライバル」を知ることは、「ライバル」と同じ道を進むために‥‥だけではなく、「ライバル」を知ることで、「ライバル」とは違う道を進むことができる‥‥という発想も可能であるということです。
それが「差異化」とか「違い」とか一般的に言われる方向性を見出だすための「ライバル・リサーチ」なのです。
それでは、先ず「ライバル」を「競争相手」と捉えて参考フレームワークで説明していきたいと思います。
ファイブフォース(Five-Forces)分析
「ファイブフォース」(5Forces)とは、
競争戦略(競争要因)を分析するフレームワークで、マイケル・ポーター氏が提唱したものです。
これは、事業を展開するにあたり、競争となり得る存在が、5者あるということです。
ただし、全ての事業に該当するわけではありませんから、参考程度に。
具体的に説明します。
上図の横のラインに位置するのは、内的要因です。
<内的要因>
1)同業者間の競争
ここは、同業者が多い、高コスト構造、差別化しにくいカテゴリーです。戦略と成果の因果関係が大きいため、どのように攻めるかがカギです。
2)買手(顧客)の交渉力
供給過剰で買手の交渉力が強い場合、利益圧迫(薄利)になる傾向なので、対処をどうするかがカギです。
3)売手(仕入先)の交渉力
供給者の交渉力が強い場合、こちらも、利益が奪われる傾向なので、どのような対策を講じるかです。
<外的要因>
4)代替製品の脅威
顧客のニーズを満たす異なるサービス等に代えられる可能性を考えます。顧客目線で考えること、他にないかを考えることことがカギです。
(これは、ある意味アイデアに繋がる可能性も)
5)新規参入の脅威
参入障壁の低いカテゴリーには脅威大です。自らが参入する時にハードルが低いなら、他者も同様であるため、視野を広げた戦略、例えば、差別化ではなく「違い」を見出だすこと等がカギです。
この競争要因となり得る5者を意識しながら、競争激化を回避する対策を事前に講ずる必要があります。
次に、「ポジションニング」の観点で ライバルを見ます。
Leading companyとRival candidateを避ける
「ポジショニング」する時にも活用するものなのですが、下図4つのうち、上2つのポジション 、Leading company(リーディング・カンパニー=主導者)とRival candidate(ライバル・キャンディデイト=追従者)の位置にいる同業他者とは戦いを臨みません。
下2つのポジションであるNiche(ニッチ)とOpposite(オポジット)を狙っていきます。
ですから、その商品・サービスにおけるLeading companyとRival candidateとなる同業他者を把握し、それらとの「違い」「差異化」を勘案することで、そこからターゲティングしていくことも可能です。
「ライバル」を誰とするか‥‥これがあることで、次の戦略を考えていけるのです。