“私”をブランド化する戦略〜ブランディングとは(1)〜

ブランド」と聞くと、大企業の社名やロゴ、高級品などを連想しやすいでしょう。実際にはそれだけではありません。

例えば、あなたの大好きな映画監督は誰ですか? 好きなアニメの監督や作者は誰ですか? 好きな画家は? 好きな作曲家は? 好きなパティシエは? 好きな・・・。あなたがお金を払う、時間を費やす、エネルギーを注ぎ込む、そんな人物がいるのであれば、あなたにとってブランド化している対象者となります。つまり“人”も「ブランド」になり得ます。

今後、中小零細企業の経営者、個人事業主、フリーランサー、ネットワーカー、さらに会社勤務(サラリー)の個人にとって生き残るために強化すべきことは「人のブランディング」と考えています。法人等の場合はコーポレート・ブランディングと称されていますが、個人の場合は“セルフ・ブランディング”“パーソナル・ブランディング”“マイブランディング”“自己ブランディング”と呼ばれている概念です。

ブランディング」のワードが認知されてきましたが、会社や団体を運営する方にとっても、そこで働く従業員にとっても大切なことと意識はしつつも、「ブランド」「ブランディング」について誤解あるいは活動が疎かにされている現状があるようにも感じています。

 

今回、自身をブランド化(ブランディング)することが、どれだけ優位に立てるのか(メリットがあるのか)を考えてみては如何でしょうか。

先ず、「ブランド」「ブランディング」について説明していきます。

※企業ブランド化(コーポレート・ブランディング)においても参考になります。

◇ ポイント ◇

あなたは、何によって憶えられたいのか?
by. ピーター・ドラッカー(プロフェッショナルの条件より)

ブランドとは? ブランディングとは?

Brand  ing

つまり、現在進行形(“ing”は、今していること)であること。

仕事・ビジネス・商売・事業をやっている間、継続しなければならないプロセスであるとも言えます。

ブランディング」とは、「ブランド」になるため、または「ブランド」を維持するための活動・行為である、ということです。

ブランドの役割、ブランディングの必要性についてはコチラ>>

 

“ブランド”とは何だろう?

ブランドの由来は、家畜の識別のために「焼印を入れること」とされていますが、人のブランディング(セルフブランディング、パーソナルブランディング)において、現実味のある意義を求めてみましょう。

ブランドの定義、概念というのは、書籍、ネットで様々なことが書かれています。例えば、Wikipediaでは、

ブランドとは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。

(出所:Wikipediaより)

その他の見解を分析しながら、その中でいくつかを下記に羅列してみました。

 

ブランドは市場マーケットをセグメントする,ブランドは長期的かつ永続的な差別化によって構築される,ブランドは生きた記憶である,ブランドは遺伝的プログラムである,ブランドは製品に意味と方向を与える,ブランドは契約である

 

端的に言うならば、

ブランディング」とは、イメージ戦略であり、顧客獲得戦略であるわけです。

学者ジャン・ノエル・カプフェレ(J.N.Kapferer)は、

「ブランドは部分と全体の両方である。それは製品やサービスのマークであると同時に、有形・無形の満足を約束する包括的な価値でもある。」

としており、さらに「独創的なプロセスである」とも伝えています。

つまり、

ブランド」は、「(有形・無形の)価値」そのものであり、「ブランディング」は、その「価値」を訴求するための活動、と考えることができます。

他者・他社の模倣(外づらのものまね)だけでは「ブランディング」にはならないということです。

 

もともと、

ブランディング」の目的は、市場でのライバルとの差別化であり、競争優位性を得るための戦略です。

ライバルとなる他者・他社を意識する(無視しないという意味)と同時に、市場・マーケットを意識していきながら、「ブランディング」を行う上での方向性やビジョン、そしてポジションを見つけていくわけです。
以前お話ししましたが、「ブランディング」の前にあるプロセス「ポジショニング」です。

ポジショニングについてはコチラ>>

 

ポジショニング」の延長線上に「ブランディング」がある

ポジショニング,ブランディング,関係,関連性

「ブランドをどのように決めようか?」・・・と考える前に、「ポジショニングをどこにしようか?」を考えることが先手です。

「ポジショニング」が決まれば、次に「ブランディング 」の方向性を定めていきます。「ポジショニング」を間違えれば、「ブランディング」も成功しない、と言えます。

 

ポジショニング」と「ブランディング」の関係は?

ブランディングに成功し、ある業界・分野において「ブランド」となると、

■■■だったら、“”さんにお願いする」
■■■については、“”さんに訊く」
■■■なら、“”のところで買う」

となります。この場合、■■■が「ポジショニング」によるポジション(セグメント・属性・分野など)付けであり、選択肢の中から“”さんが選択されること、それが「ブランディング」の成果ということになります。

美容室なら何々店の誰々、車の修理なら何々、豆腐を食べるならどこどこの豆腐、靴を買うなら何々店、バックを買うなら何メーカー、醤油を買うなら三河屋さん・・・なども同様で、その個人個人の拘りとなる会社や商品、人物が「ブランド」です。

 

そして、コトバとして表現しないにしても、“”に関する装飾語や形容詞が具体的に付加されることで、関係は深まっていきます。

あなたは、何によって憶えられたいのか?
by. ピーター・ドラッカー(プロフェッショナルの条件より)

 

■■■のセグメントが小さければ小さいほど、「ブランディング」はし易くなると言われています。が、「ブランディング」自体、市場規模や客数等は関係ありません。「知ってもらう」という点では、人数の多さはポイントですが、「ブランド」という意味では、受け入れてもらう相手は一部の人でもいいのです。100人いたら、100人に受け入れられる必要はありません。100人のうち1人でも良い、と考えます。

極論で言うと「人のブランド化」は、ターゲットとなる人、共感してくれる人、理解してくれる人に受け入れてもらえば良い、ということになります。

人のブランド化」は「ファン(人気)」とも言えるわけです。

ファンがいる、ファンが増える・・・そこには理由があります。最も分かりやすい理由の一つは、好き嫌いの感情です。好きか、嫌いか、どちらでもないか・・・という感情・情動は、その人のもつ価値観やアイデンティティなどによるもの。ですから、沢山の人に好かれようとすること自体に無理があるため、好かれたい人に好かれる、ファンになってくれる人になってもらう・・・そのためにはどうすれば良いのか、ということを考えていくことになるのです。

※(知名度として)「知られる」ことが「ブランド」ではないということ・・・

知名度を上げることがブランディングである!という広告会社やコンサルタントの浅さかな提案が以前ありましたが、知名度を上げるために、資金を投入してメディアで宣伝したり、本やCDを出版したり・・・自己の型が出来ていない状態でプロモーション(PR)を行なったとしても、世間の人々は、振り向いてもくれません。大して興味をもたないからです。それで上手くいくなら、芸人さん達は苦労しませんよね。

続きます・・・

“私”をブランド化する戦略〜ブランディングとは(2)〜>>