ビジネス・商売の目的は何ですか?

という問いには、様々の応えが出てくると思います。大抵の場合、ビジネス・商売を理解していない、あるいは親や会社に言われるがままに‥‥「顧客(お客さん)のため」「顧客に喜んでもらうため」‥‥と上辺だけの顧客満足に関する応えを、それも自信溢れる声で‥‥。

このサイトではセルフ・マーケティングを前提としていますが、経営者に限らず、サラリーマンとしても、フリーランス、個人事業主としても把握できるよう、図解を加えながら基本マーケティングについて解説しています。

マーケティングは、会社対お客、の前に「人対人」を踏まえたことでなければなりません。サラリーマンとして一歩先に進むために、解雇や窓際族にならないために、起業・創業しても倒産・閉業しないために、自己や会社の価値を高めていくマーケティングを実践していきましょう。

顧客満足は目的ではない

「ビジネスとはそもそも何か?」と考える場合、日本式でいうと「商売」ですから、そこには、必ず「売る」側と「買う」側が存在します。
この両方がかけても、先ずビジネスになりません。

では、
「売る」側は「買う」側の立場・視点を完全に無視して、「売りたいものを売る」「適当に高いものを売る」‥‥このような状況でビジネスは成り立つでしょうか? ‥‥成り立ちません。

「買う」側は、自分の欲求を満たすもの、何かを解決してくれるもの、必要と感じるものなどを前提として、買うわけです。
満たさないもの、解決しないもの、必要性を感じないものは買いません。

そこには、買うことによっての満足感的な快楽や安心を求めているのです。

ということは、顧客を満足させられない、喜んでくれないものを「ビジネス・商売」にすることができるのか? ‥‥できません。

ですから、「ビジネスを行なう」と考えた時点で、顧客を満足させることは必須課題であり、根幹(=根源)であるということです。
もしくは、揺るぎない「使命」であると言っても過言ではありません。

顧客満足はビジネスの“目的ではない”ということを、理解することが必要です。

ビジネスの目的は“利益”?

これを言うと、日本人の場合、「卑しい」「動機不純」「金儲け主義」などと、ネガティブに取られてしまう傾向もあります。これも捉え方にズレがあります。

「利益=お金」と考えると確かに「金儲け主義」「利益至上主義」になるでしょう。

前記したように、ビジネスの根幹は「顧客満足」です。
とすれば、
ビジネスの目的は「利益」‥‥と考える経営者がいてもおかしくはありません。

しかし、
赤字経営による倒産・閉業する会社が膨大な数であることは現実問題として存在します。
そこには大抵の場合、根幹である「顧客満足」が忘れ去られているか、逆に「顧客満足」の意味・意義を誤解しているのではないかということです。

極端な「顧客主義」(もしくは事業主の自己満足主義)になってしまい、従業員(CS)を疎かにしてしまった企業のケースも多々あります。

そのような企業はどうなったのでしょう?
マクドナルドや牛丼チェーン店、格安居酒屋、ファストファッションメーカーなど。
顧客満足は行なっていたかもしれませんが、従業員満足度を疎かにしたために、それがサービスやコンプライアンス意識の低下につながり、顧客満足は低下してしまいました。

「利益」が出ない(少ない)ということで、何かしらの問題が発生し、結果顧客サービスも低下した‥‥と考えられます。
ビジネスは継続しなければ、企業・事業主の社会的意義は失われます。

顧客満足」を継続するためにも、「利益」が必要です。
「ビジネス」を行なうのは、「利益を作ること」だということです。
※誤解がないように、「利益」=お金(のみ)ではないということ。

しかし、

実態としては、「顧客満足」させることが難しくなり、「顧客満足」させる方法も分からなくなっていることが事業主の悩みです。
徐々に、「顧客満足」を置き去りにした存続のための「利益」追求型になりました。

勿論、それでは顧客(市場)から振り向きもされず淘汰されていく始末。
すでに”ビジネスではなくなっている”、とも言えるかもしれません。

※世の中に存在する「成金」目的の一発屋(最近のネットビジネス系自我実現タイプも含む)、FXなどで儲ける人たちのような場合は、それ自体はビジネスとは言わない、と言っていいと思います。

そこで、

「企業・事業の目的は、利益ではなく顧客創造である」

という提唱が近年出されました。

(本文:The purpose of business is to create customer)

マネジメント発明者と言われるピーター・ファーディナンド・ドラッカーです。

peter.f.druckerピーター・ドラッカー

ドラッカーによる企業・ビジネスの目的とは

ピーター・F・ドラッカー氏の提唱する「企業・ビジネスの目的」は、利益ではなく「顧客創造」とあります。

そして、「利益」はその活動のための条件であるということです。

ビジネスの目的は「顧客創造」である

企業が社会の中で存続していくためには、「顧客創造」をしなければならないし、その活動するための条件が「利益」であるわけですから、その活動が「ビジネス(事業)」であると考えることができます。

ビジネスによる「顧客創造」を行なった結果として「利益」をもたらし、その「利益」によって、さらに「顧客創造」を続けていくことになります。

顧客創造」(create a customer)とは、「顧客満足」とは違うことで、新たに市場を造り出すという発想です。
そしてその市場とは、ぼんやりとしたものではなく、個人の集合体であること。

顧客は常に個であり、その集合体が市場(マーケット)となるのです。
ビジネスの根幹である「顧客」の存在を最大限に意識するということになります。

そして、その顧客から「利益」という結果を得ることになります。

「利益とは、原因ではなく結果である。マーケティング、イノベーション、生産性向上の結果手にするものである。したがって利益は、それ自体致命的に重要な経済的機能を果たす必要不可欠のものである。」

(ドラッカー「エッセンシャル版/マネジメント基本と原則」より)

ビジネスは、「利益を作り出すこと」です。

しかし、その「利益」とはお金のことではなく「価値」であり、「利益を作り出す」というのは、顧客(需要側)と事業主(供給側)「双方の利益を作り出すこと」です。

「顧客創造」するにあたって、「マーケティング」と「イノベーション」が重要な活動になります。

マーケティング」とは、買ってもらう仕組み作りであること。(販売はその後)

顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、自ずから売れるようにすること。

(ドラッカー「エッセンシャル版/マネジメント基本と原則」より)

イノベーション」とは、新しい付加価値、新しい満足を生み出す活動。

人的資源や物的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力をもたらすこと。

※技術革新や発明ではなく、経済的・社会的イノベーションであること

(ドラッカー「エッセンシャル版/マネジメント基本と原則」より)

マーケティングの父「フィリップ・コトラー氏」は、「利益を上げることが、マーケティングの目標である」とし、マーケティングの基本6プロセスを挙げています。

  1. 狙うお客さん、市場を決めること
  2. 何を売り物にするかを決めること
  3. 売り物に合った価格を付けること
  4. お客さんが買わなければならない理由と意味を考えること
  5. 流通戦略を決めること
  6. 最も安いコストでお客さんに届ける方法を決めること

2つの「稼ぐ」方法

稼ぐ方法には、2つあります。

1)顧客を満足させず、稼ぐ方法

2)顧客を満足させて、稼ぐ方法

どちらを選びますか?

2)を選べる方だけ、次に進んで下さい(笑)

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