セルフコントロール★自己エコ化のススメ

“私” の掲げるゴール(大きな目標)や目的を果たすまでのプロセスには、セルフコントロール(自己統制・自己制御)は不可欠です。

今回のテーマは「自己エコ化」。

エコ(=エコロジー)は通常 “環境にやさしい” こととされていますが、「自己エコ化」は “自分自身にやさしい” こと。ただし、甘えさせることではありません。

例えば、月収が20万円なのにそれでは賄えず、買い物や娯楽、ギャンブルなどで、同等額の支出あるいは借金してまで、今ある欲望を満たそうと活発になる方もいます。
 例えば、一日24時間と知っているのに、『時間が足らない』と言いながら、ゲームや漫画、動画鑑賞などでムダな時間として消費する方もいます。

自分自身に与えられたもの、保有するもので有限なものは数多くあります。そして、自身で制御(セルフコントロール)できるものもあります。

自己エコ化」は今の “私” を甘やかすことではなく、今と未来の “私” にやさしい環境を整えるための活動です。キャリア・デザインにおけるプロセスの一つになります。

自己エコ化はシンプルに

昔からの整理・整頓・清掃(3S)や一種の社会現象を巻き起こした『断捨離®』という片付け手法(断捨離®️はやましたひでこ氏の登録商標です。)は、“モノ” だけでなく、自分自身に対して行うことができます。
 3Sや断捨離を行うことで快適な環境を作り、気持ち良く活動できるようになりますから、自身についても同様のことが起こるのではないでしょうか。
 より効率的、より効果的になると想定することができます。

つまり、ムダ・ムリ・ムラ(3M)を減らすための「整理・精算」を実践することは、未来の目的達成のために必要なことです。

「自己エコ化」は、誰もが知っているシンプルな方法で行うことがベターです。それは、必要なことと不要なことの分別です。

今の時代、“私” の生活範囲で行為すること、考えることが増え、情報や選択肢などが膨大になっています。
 何が正しく、何が適しているのか分からない現代です。徐々に誤った方向へ進んでいたり、苦難から抜け出せなかったりしていることが現実にあります。

そこから脱(脱誤苦=だつごく)するためには、現実の範囲で整理・精算を実行します。
 一度立ち止まり、現状を具体的に把握します。ビジョンや方向性を今よりも明確になってくれば、何が必要で何が不要なのかを見定めます。先ずは可能な限り、行動する内容をタスク化するような論理的な思考を持ち、日々の活動を明瞭にした方がいいと考えます。
 それが「自己エコ化」につながります。

自己エコ化のはじまり

自分自身の有限なものを有効活用するためには、それらの容量や使用方法などを把握(自覚)するところから「自己エコ化」が始まります。

“エコ” である以上、自分自身に優しいものでなければなりません。
 “自分を甘やかす” ということではないため、行くべき道でのムダやムリな事柄をコントロールする努力は必要です。
 例えば、“ムダを減らす” とはムダとなる事柄そのものを減らすだけではなく、重要な時に不要なことをしないことも含まれます。その時は不要なことであっても別の時に必要になるなら、その時に行なえるようセルフ・コントロールすることです。

自己エコ化の3ポイント

「自己エコ化」を行なう三つのポイントとは、

  1. 有限のエネルギーを効率よく活かす
  2. 有限のワーキングメモリを有効活用する
  3. 有限の時間を効果的に使用する

です。

有限のエネルギーを効率よく活かす

日々の活動の中で、人は「エネルギー」が必要です。

そのエネルギーはモチベーションにも影響してしまう大切な要素です。

エネルギーは、人によって量は違えども有限であり、増減させています。“疲れが出た” のはエネルギーの消耗であり、“元気が出た” のはエネルギーの充填です。

ここでは、エネルギー充填( “元気になる” こと)ではなく、自身のエネルギー消耗について考え、把握し、エコ化していきます。

人の持つ「エネルギー」と言っても様々な解釈がありますが、当方で分類した脳エネルギー、心的エネルギー、身体的エネルギーの三種(※3つのエネルギーについてはコチラ)で考えていきます。

さて、有限である各々のエネルギーを日頃から、何に、どのように使っている(消耗している)のでしょうか?

エネルギー消耗度を把握する

例えば、1日の仕事などを終えて帰宅した時には疲れていると思いますが、毎日同じ疲労感ではないはずです。
 どんなに忙しかったとしても、計画通りに進むことができた日は、満足感や充実感が疲労感を和らげ、エネルギー消耗度は少ないでしょう。逆に、仕事で失敗し対応に追われたり、計画通りに進まず上司から注意されたりすると、エネルギー消耗度は激しく、帰宅しても入浴する余力すらなく寝てしまうこと(いわゆる、ばたんきゅー)もあるかもしれません。

エネルギーの消耗は、短時間でも実感できます。
 短時間でエネルギー消耗が激しい場合は、頭がボーッとしたり、眠気に襲われたりしますから、その後の活動に影響がでます。

例えば、仕事で長々とクレーマーの対応(クレーム処理)をした後は、魂が抜けたかのように何もする気になれません。
 部活などの練習で目標に達するまで続けると決意しても、長くなればなるほど、体力とは別に集中力は失われ、動体視力や反応力などが低下します。

プライベートの時間でもあるのではないでしょうか。
 テレビで放映されるプロサッカーの試合を視終わった後の疲労感。勝ち試合であっても、納得できるゲーム内容と納得できないゲーム内容では、疲労感(スッキリ感)が違います。
 テレビゲームも目的を果たした場合と果たせなかった場合の疲労感(満足感)は違います。

もし、これらの後に仕事をしようと計画をしていても、仕事に対して必要なエネルギーが残っているか、疑問です。深夜にテレビ観戦したりゲームしたりして、睡眠不足のまま仕事に向かうことは良いことなのでしょうか?

大事な仕事、集中しなければならない予定の前に、エネルギー消耗度が不確定な事柄にエネルギーを使うことは得策とは言い難いものです。

エネルギー充填を確定できる事柄を行なった上で、大切な仕事などに取り組むことが必要と感じます。

自己エコ化はエネルギーの使い方というわけです。

エネルギーは使い方次第

このような時はありませんか? あるいはイメージできますか?

社内の懇親会で、上司の自慢話を延々と聞くことで愉しさは半減し、帰りたくなる時です。
 上司の自慢話を(別に興味ないよ〜。という気持ちで)嫌々聞いている人と、その自慢話を(成功された時の秘訣が隠されているはず。という気持ちで)もっと聞きたいという姿勢の人では、エネルギーの使い方が違います。

このことを例えで言うと……
 飛行機で上空を飛んでいるとすれば、乱気流や強い向かい風(嫌々=聞かないといけないという姿勢&意識の中でバカにしている、あるいは逃げたい、という状態)なら、時間も長く(感じられ)燃料の減り(エネルギー消耗)も大きいでしょう。ジェット気流などの追い風(楽々=もっと聞きたい&楽しい、感嘆の状況)なら、時間も短く(感じられ)燃料の減り(エネルギー消耗)も少ないのです。
 そして、飛行機が空港などで給油(充填)するように、他人の話を聞いたり、新たな知識をインプットしたりすることで、エネルギーを充填することが可能です。

上司の自慢話から何を引き出すのかによって違いますが、例えばビジョンが明確になったり、具体的な行動が理解できたりすることで、ワクワク感やイキイキ度が増せば、エネルギー充填したことになるでしょう。
 ただし、充填は可能であっても、エネルギーの燃費が悪かったり、穴が空いていてダダ漏れだったりすると、労力も出費もバカになりません。

エネルギーをムダにしないためには、ムダなことをしないことに限ります。掛けた時間数ではなく、内容の問題です。
 長時間活動してもエネルギーが活性(増幅)され、時間を忘れてしまうほど没頭してしまうことがあります。『フロー』と言われる状態です。(フローとは、心理学者ミハイ・チクセントミハイによって提唱されたもの)

自己エコ化するためには、自身のエネルギー消耗の要因とエネルギー充填できる方法を、整理・清算していくことが必要と言えます。

エネルギーの調整を図ることは、今後の課題です。

「3つのエネルギーを制御する」はコチラ>>

有限のワーキングメモリを有効活用する

“私” の意識領域・行動領域の範囲を把握していますか?

このような経験があります。例えば、

  • 朝から趣味に没頭してしまい、食事することも忘れて夕方になっていた。
  • 会食で会話が弾み、時を忘れ、終電に間に合わなかった。
  • ヘッドホンで音楽を聴きながら読書をしていると、本のストーリーが面白く没頭してしまい、いつの間にかCD一枚分が終わっていて、何が聴こえていたのか覚えていない。

……など、あることに集中してしまうことで、他の情報が正確に入ってきません。その瞬間における人の意識や行動には、キャパ(容量、キャパシティー)が決まっているからです。

“私” の意識のキャパ内で、どんなものが蠢(うごめ)いているのか、を知ることがポイントになってきます。

脳の処理率は、アリ位?

人の脳の処理性能性は、視覚・聴覚などからの膨大な情報から抜粋してインプットする時、いかに速く、いかにシンプルにするか、で決まります。
 別の言い方をすれば、“人の脳は、自身の良いように簡潔に処理を行なう” です。

五感(視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚)の他に平衡感覚、固有受容覚(運動感覚。自身がその場に立っている、手足などの位置、などを認知する感覚)、内臓感覚などの情報を最大毎秒ギガビット(10億ビット以上)レベルで受け取っていると言われていますが、人の脳での処理は毎秒40ビット~200ビット程度。(ネットによる情報源なのでエビデンスは不明)

目安として平均100ビットとした場合、10億ビットに対して0.00001%(1e−5%)という処理率です。
 ちなみに、大きめの蟻さんの体重を0.006グラムとして、体重60キロの人間と比較すると、0.00001%(1e−5%)。(※本当は体積で比較したかったのですが、情報が見つからず‥‥。)
 つまり、人間の大きさの情報量があっても、脳で処理できているのは蟻さんほど。ということを伝えたかったのです。

この処理率について、普段の生活の中で考えてみました。

例えば、スマートフォンで(毎秒2Mビットほどの)字幕付き映画を視聴した場合、100ビット処理されたとして0.005%と微量。つまり、ストーリーやセリフ、映像の細部に至る全情報の一部のみ把握しようとします。
 同じ映画を複数回観たことで、新たな発見、理解度が深まることはよくあることです。前回の記憶以外のインプット情報があったり、観る時の環境が違っていたり、あるいは前回と今回の期間中に脳の思考に変化があったりすることが考えられます。

学校の勉強で予習・復習が重要と言われるのは、一回の処理能力に限界があるため、同じことを再三学ぶことで理解度が増すからです。スポーツや仕事で同じことを反復するのも、同様です。

個人的な事実として、『セブン』『マトリックス』『シックスセンス』などを初めて観た時は、感情的には良いものであることは分かりました。ただ脳で消化不良を起こし、三度くらい観たところで、奥の深さを実感した経験があります。

字幕付き映画を観る際、二日酔いや頭痛がひどい時には、気持ち悪さ・吐き気・痛み、それらに対する処置法などが意識に出現することで、映画の理解度は通常より低下します。
 友人や恋人と喧嘩した後や良心の呵責を感じるような悪いことをした後に観たら、怒り・焦り・後悔、今後やるべきことなどの意識が、映画の内容をぼかします。

人は外部からの情報、体内(体調)の情報以外に、思考系統、記憶系統(例えば過去の情報)ともリンクしているため、瞬間の処理する内容はほんの僅かで、そして数秒後には別の処理を行っているのです

人の脳のフィルター

『人の記憶は曖昧である』『人はすぐ忘れる』と言われます。

刑事ドラマやサスペンスドラマで警察が住民への聞き込みをする際に、複数の証言を得ようとします。現実でも同じですが、可能な限り多くの証言を集めて分析するわけは、人は『自分の良いように物事を見る』傾向があるためです。つまり、“バイアス(思い込み)” です。心理学用語で、“ヒューリスティクス” と称されています。

人の脳にはオリジナルのフィルター(※色眼鏡とも言われているもの。)が存在しており、情報を分類しています。
 その時に関心や興味のない情報、自身に不要な情報は(無意識的に)フィルターに引っかけて処分します。フィルターを通過した情報のみを処理(自己解釈)します。

字幕付きの映画(毎秒2Mビット)の例であれば、フィルターを通過したのは0.005%、処分されたのは99.995%ということになります。

このフィルターは関心ごと、興味ごと、思考特性などが反映されているため、その都度カスタマイズできます。

例えば、ジブリ映画である『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』は、性善説視点で観た時の見解や感想と、性悪説視点で観た時の見解と感想とでは、大きく違ってきます。

人によって、あるいは時と場合によって処理率に増減があるにせよ、僅かの処理率と考えた時に、その処理をした内容の質が人の生き方、あり方に影響することは言うまでもありません。

ワーキングメモリ

人が同時に意識できるキャパの一つの考え方には、認知心理学でいう個人の『ワーキングメモリ(作業記憶)』によるものがあります。

※「ワーキングメモリ」とは・・・

ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。

一般には、前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質、および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられている。

(出所:Wikipediaより)

それに関する代表的な理論が、米国の心理学者ジョージ・ミラーが提唱したマジカルナンバー(短期記憶)です。日常的に刹那的な情報操作量(分類されたカテゴリー=チャンクの数)としておおよそ7±2(5〜9)個と言われていました。
 その後の研究により、米国の心理学者ネルソン・コーワンがマジカルナンバーは4±1(3〜5)であるとし、その他の専門家は2〜3くらいという方もいます。

つまり、人は多数のことを同時に処理できないということ。仕事や趣味などに集中(フォーカス)したい時、あるいは難しい課題へ注力したい時に、余計な情報を避けたいはずです。

ワーキングメモリのキャパは個々人で違いますから、自分自身のキャパをある程度理解していることが必要です。(キャパを広げることは訓練で可能なようです。)

現在のワーキングメモリを有効活用するためには、日頃の仕事や、やりたいことの目的に沿った活動を行なう際、

  1. 優先すること、重要度の高いことが何なのか? を理解すること
  2. 身近にある余計な(不要な)情報源を切ること

例えば、仕事や勉強に集中しなければならない場面で、SNS(Instagram,LINE,Twitter,TikTokなど)が気になり、パソコンやスマホを見てしまう方もいるでしょう。
 あるいは、家で部屋で仕事や勉強をする場面で、趣味である漫画本やゲーム機、楽器などが視野に入り手に届くところにあることで、手に取り読み始めたり、弾き始めたりすることもあるでしょう。

容易くインプットされる視覚情報により快楽欲求を目覚めさせると、仕事や勉強の苦行から回避するために、状況に甘んじてしまうものです。集中できない環境、身近な逃げ場を自ら準備していることに気づかなければなりません。

集中すべき時間に重要でないコト、集中できないモノであれば、電源OFF、オフラインや消音などにすること、見る時間を決めておく、などの自分なりの決め事を実行します。

漫画本や趣味のモノなら他の部屋に置く、クローゼット内に片付ける、捨てる、などの決断をします。捨てる際も、大きな目標が達成された時にご褒美として新しいモノを買う、と決意してもいいと思います。(その時になれば欲しいとは思わないかもしれませんが。)

自己成長や自身の目的達成のために、重要なツールか、行為か、ということを分析します。

何かに真剣に取り組むなら、やるべきコトに集中する環境にすることは、自分自身の決断で可能となります。その際に不要・邪魔となり得るインプット情報源を意図的に整理しておくことが重要です。

ワーキングメモリを効果的に活用する、という意識をもつようにすることです。自らのワーキングメモリを有意義に活用する方法を身につけることが、ポイントになります。

そのための整理・清算というプロセスがあります。

私たちは、仕事を含めて活動したり、本やネットで学習したり、新しいことにチャレンジしたりすれば、さらなる情報が自らの五感を通してインプットされてきます。その場面で整理・清算できるものは瞬時に行なっていきますが、それでも大々的な整理・清算を定期的に行なう必要があるのです。それも短期スパン(間隔)で……例えば、日曜の朝に行なう、第二と第四の土曜に行なう、月末に行なう……など決めておくことが良いでしょう。

“私” の意識領域、行動領域のキャパを把握し、有効的に活用しましょう。

有限の時間を効果的に使用する

時間は人のみならず生物全てに与えられた有限の物差しです。
 1日24時間という制度をつくり、細分化された目盛りは人間社会だけですが、可視化された時間をいかに活かすのかは一人ひとりに託されています。

『時間の有効活用』と言われますが、具体的にはどんなことでしょうか? 『タイム・マネジメント』を勧められますが、具体的にどうしますか?

一般的に言われているように、パフォーマンスを低下させないためにも睡眠や食事などの健康に関わる時間を減らすことは好ましくありません。それ以外の時間をどのように活用するのか、自身で決めていきます。

時間管理の考え方

時間を管理する上で参考になる考え方の一つは、コヴィー氏の7つの習慣で出てくる『時間管理マトリックス』です。

7つの習慣の時間管理マトリックス

上のイメージ図によると、第二領域(緊急性は低く、重要度が高い事柄)が重要とされています。
 ここで見極めなければならないことは、優先すべきことと重要なことです。これらは別のこととして考えることであり、分類した後に自らの行動をコントロールすることになります。

第一領域の重要度の高い事柄については、期限があること、問題発生に対する処理など、回避不可とされる “やるべきこと” です。人は優先的に行動します。つまり、“やりたい” 思いとは関係なく、やらなければ大問題に発展するために必ず動かざるを得ない領域と言えます。そのため、効率性と能率性を高めることで、時間を作り上げることが可能となります。
 いつも時間に追われている感の強い人、常に忙しいと感じている人は、この第一領域に自身のほとんどの時間を費やしている方なのでしょう。

第二領域は、『自己投資型』と位置付けられています。
 期限がない、または期限が相当先である事柄であるため、長期的な観点で自らがプランニングして活動する事柄です。
 自身のビジョンや大きな目的を果たすために、自己成長を促進する領域と言えます。

第三領域は、『錯覚』や『建て前』とも言われる領域です。ただリスクは介在しているため、無碍にはできません。
 本来 “やるべきこと” ではないのですが、重要であると(後付けで)思い込み、仕事をしている錯覚が自己満足感を増加させてしまいます。他人から仕事をもらうなど、仕事をしているフリができたり、期日を勝手に決めて緊急性を高め、急ぎの用事であるフリをしたりします。短絡的に過ごそうとする傾向です。
 ただ、オフィスでの電話対応や接客などは緊急の用事として手伝ったり、あるいは他人から頼まれることを受けたりすることで、社内の人間関係を保つこともあるため、建て前であっても、この領域は必要なのかもしれません。

第四領域は、重要度が低く、緊急性も乏しい事柄です。まさしく、あってもなくても良い事柄と言えます。

これらの領域にある事柄に対して人は時間を費やしていることになりますが、分析し理解した上でムダ・ムリ・ムラ(3M)を減らすための「整理・精算」を行なう必要性が出てきます。

時間の使い方

それでは、第一領域以外の活動の事柄について、“私” にとって重要なこととは何か、重要度の高さ、などを認識しているのでしょうか?

例えば、スマホアプリでゲームをする、漫画本を読む、同僚と愚痴を言い合う、酒を飲んでダラダラ過ごす、などは “私” にとって重要なことなのでしょうか?

“重要のこと” に関しては人によって観念が違うため深くは触れませんが、何かしらの目的があることは間違いありません。その目的が短期的なのか、長期的なのかは明確になるはずです。
 第一領域の重要な事柄は短期的ですが、第二領域は長期的です

ゲームをすること、漫画本を読むことが長期的観点で重要になると主張する場合、ゲームクリエイターになりたい、eスポーツ選手になりたい、漫画の作家になりたい、アニメ業界で働きたい、などの未来の大きなビジョンや目的があるからでしょう。
 もし、楽しいから、面白いから、などの短期的観点で重要さを唱えるのであれば、第一領域に含まれるような気もしますが、成果や効果性から鑑みて、第三領域か第四領域になると考えられます。

人が保有する時間には限りがあります。

その時間を有効に使うためには、第一領域以外の時間は、第二領域で使うことが最良であると考えることができます。

まとめ

自己エコ化のススメは、自身のためです。

有限のものをムダにせず、有効的に、効果的に、効率的に活用するのは、自分自身しかいません。

エコ化を意識することで、ムダ・ムリ・ムラの少ない「生き方、あり方」になると信じています。

整理・精算化の詳細はコチラ>>