自己成長プロセス5S(1)〜整理清算化〜

「整理清算化」は心・脳・リアルの整理・清算(取捨選択など)を随時行ない、セルフ・マネジメントのベースを築きます。命題(テーマ)、課題・問題、必要リソースなどを明確にするため、新たな知識・情報を得、経験による智慧・見識によって考察・再整理し、目的・使命を果たす(自己実現)ための活動プロセスなどを構成していくことです。

自己を成長させることで、楽しき人生を満喫できるように、「成長プロセス5S」を推奨します。

5Sの前半3Sについては、次の3つ。

(1)− 整理清算化
 (2)− 志向化
 (3)− 修得化

growth成長プロセス3S概要

最初に「整理清算化」について解説します。

整理清算化

この「整理清算化」は、一般的に言われているお部屋やデスク周りを「片付けましょう」、ということだけではありません。(勿論、キレイにした方がいいです。^^)

このタスクが重要である理由はいくつかありますが、先ずは自己の各エネルギーのエコ化と、効率化を図ることです。

ムダなエネルギー消耗を回避し、必要なタスクへ注力します。

可能な限り目的・使命を果たす(自己実現の)ためのインプット情報の解析・探索とアウトプット戦略戦術の考察をシンプルかつロジカルに行なっていきます。

いわゆるセルフ・マネジメントの領域です。

さて、「整理清算化」は、「志向化」による心幹によって確立・設定されていく目的・使命を果たす(自己実現の)ために、自己統制のコントローラー室を造るイメージです。

コントロールしやすいように、内面的な分野(心や脳)と外面的な要素(モノ・ヒトなど)が主な対象となります。

「整理」は、“モノ・コト” の要・不要に分類する「取捨選択」的行為

「清算」は、“ムダなモノ・コト” “邪魔なモノ・コト” などを明瞭にし、 “負になるモノ・コト” の処理・解決・処置・対処などの行為

活動するたびに新しいモノ・コトが増えるため、適宜に「整理・清算」を行ない、コントローラー室を自分なりに造り上げていくことになります。

これが成長プロセスの一つ「整理清算化」になります。

「整理」

明日を耐え抜くために必要なものだけ残して、
あらゆる過去を締め出せ。
ウィリアム・オスラー[カナダの医学者]

(私釈ですが)明日の成長のために不要な過去の情報やプライドは捨てる、ということでしょう。この情報の中には、バイアス(偏見や思い込みなど)も含まれていると捉えていいでしょう。

現段階の自分自身に関する全てのモノ・コトを「取捨選択」することになりますので、そのためにも “分析” “考察” することを要します。

生活の中で整理整頓が得意な人であれば、要領を掴んでいると思いますので、この「整理」の考え方は難しくありません。

苦手な方で、本気で「整理・清算」を行なう際は、ある程度まとまった時間を備えておくことが必要です。

心・脳・リアルの中(内面・外面)で、未来に向けて前進するためには不要である思い(想い)、雑念、目前(目先)の欲求、自己価値向上に適さない(価値の)ないもの、あるいは過去の失敗や後悔、不安な気持ちなどを「整理」していきます。

また、現段階でやりたいこと・やりたくないこと、好きなこと・嫌いなこと、やらなくてもいい行動(※習慣にて)、今日以降必要なこと、などなども「整理」していきます。

難しくて悩んでしまう場合、あるいは重要な事項(モノ・コト)・場面に遭遇した場合、諸先輩方やメンター(尊敬する人)の意見を伺ったりすることも可能です。
(ただし、最終的には自分で主体的に決定しなければなりません。)

瞑想や座禅という方法も効果的です。

専門家のもとでヨガや座禅を行なう必要はありませんが、自ら行なう際は瞑想できる静かな環境と時間を準備して行なうことをおススメします。

※瞑想は継続することが重要であるとされていて、早朝や就寝前の5分〜10分程度でも有効とされています。

「整理・清算」は心も身も軽くするという点では、重要なプロセスになります。

次のプロセス「志向化」で「決断」という重要行為がありますが、「決断」とは「断つことを決める」わけですから、その「断つ」ものを主体的かつ責任もって「決める」には、その前プロセスの「整理・清算」はポイントになると考えてください。

「清算」

お金の精算ではありません。“負になるモノ・コト” の清算です。

集中できないもの、妨げになるもの、妨害するものが心の中、脳の中にあり弊害が生じることなら、早急に解決・処理してしまうというコトです。

例えば、

  • レンタルビデオの返却が遅延してて気になっている
  • 手紙を書きたい人がいるが書けていない
  • 隣の人と先週ケンカしてまだスッキリしていない
  • 好きな人がいて告白しようかどうか悩んでいる

などなど、やり残して気になってしまうような事柄、特に時間の経過と共に損をする・支障が出る・悪化する・問題が広がる、などのように『時間が解決する』ことのない事柄は、先延ばしせず、早々に解決・処理しておくことです。

当日できることは当日中に片付けます。
 明日でなければならないコトは、明日何時と決めて行ないます。
 すぐに解決できないコトは、自分でルール(期日など)を決めておき、スケジュール帳に記しそれまでの間は忘れます。

解決しなくても問題にならないコトは、その瞬間忘れて結構です。

主体的な先延ばし(計画的なコト)を除く怠惰による先延ばしするコトは、それが解決するまでエネルギーを消耗していきます。

とにかく先延ばしにしないことです。

「整理・清算」を行なう3つの理由

では、なぜ「整理・清算」を行なうのか?

3つの理由、

  • 脳の意識領域のキャパが決まっているから
  • 脳エネルギーの効率化のため
  • 時間を無駄にしないため

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今回はそのうちの一つ、「人の意識領域や行動領域などには限界がある」という点です。

人が同時に考えられるのは、認知心理学で言われている個々人のワーキングメモリ(作業記憶)によるとされています。
 その代表としてマジカルナンバー(短期記憶)がありますが、おおよそ7±2(5〜9)と言われています。

という理屈を踏まえると、ワーキングメモリの中にある(または入ってくる)余計な情報を、意識的に捨て去る(正確には一旦忘れる)必要性があります。

例えば、SNS(Facebook、LINE、Twitterなど)が気になって、ついパソコンやスマホを見てしまう、という方はそれが成長に必要かどうか、ということを分析し、集中できないようなものであれば、見る時間を決め、それ以外はオフラインや消音などにして、やるべきことに集中する、ワーキングメモリーを重要なことに活用する、という意識をもつようにします。
 また、どうしても必要な情報は、すぐにメモする癖をつけます。

「覚えよう、覚えよう」とするエネルギーが勿体ないわけです。

1日1日過ごしていれば、新しい情報がどんどん入ってきます。よって、その整理・清算を、定期的に行なう必要があります。それも短期スパンで。

整理整頓が得意な方は、それほど苦労しないでしょうが、あまり得意としない方は、身につけるには時間がかかります。
 継続していくことで、その整理が早くなってくるでしょう。

ただ、潔癖主義の方は逆に苦戦するかもしれません。
 例えば、人の指紋も取り去るほどの潔癖性は、そこに意識がいってしまうため、集中できなくなる可能性もあります。
 超潔癖性の方には、そのエネルギーを別に移行するよう、訓練するしかないでしょう。

今回整理したとしても、それが全てではありません。常に新しい情報(経験値も含め)が入ってきます。

次回以降の「志向化」にも関係するのですが、自分の「信念」「価値観」に基づいて、整理・清算を行なっていくことがポイントになるために、再度整理・清算する、また定期的に行なう、ということになります。

「整理・清算」を行なう際、必ず可視化します。

紙とペン、あるいはパソコンなどを準備し、文字化してください。そして、できる限り集中できる場所で行なって下さい。これらは、今すぐにでも始められます。が、明日でいいやぁ〜と思う人は、明日もやらないでしょう。

今日どうしてもできないのなら、明日何時に行なう!と計画して下さい。

これは、集中力、エネルギーの活用方法に影響するので、これらが出来るようになると、人生の整理がしやすくなります。

では、是非やってみてください。

(2)成長プロセス5Sの「志向化」>>