「マーケティング」の前に知るべきこと

他ページで何度も出ている図ですが、下図の3者、「マーケット」である「誰に」、「プロダクト」である「何を」、そして「ライバル」というものを、少ない知識での偏見で見るのではなく、確実な理解を得ることで、他者よりも一歩リードすることになります。
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  • 「誰に」の “誰” とは、誰のことか?
  • 「何を」の “何” とは、何のことか?
  • 「ライバル」とは、誰のことか?

これらを探ることになるのですが、それが

市場リサーチ

自分リサーチ

他者リサーチ

です。
マーケティングのプロセスであるリサーチに該当しますが、詳細は別ページで説明します。

今回は、その前に知っておいて頂きたいことがあります。

  • 「何を」の私の「リソース・シーズ」について
  • 私(自己)」とは、そもそも誰なのか?
  • 「誰に」の「ニーズ・ウォンツ」について

これらについて、詳しく解説していきたいと思います。
ご存知の方も、再確認の意味でご覧ください。

自分自身・自己の「リソース・シーズ」とは

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「何を」は、会社または個人の商品・サービス(無形・有形)ですから、そには、リソース、シーズが不可欠です。

意味

リソース(Resource)とは「資源・資産
企業あるいは個人の持つ「カネ・モノ・ヒト・情報・知識」などが該当。近年では「ブランド」も含まれる。

シーズ(Seeds)とは企業・個人の持つ技術やアイデア等
リソースを有効活用できるテクニック、スキル、ノウハウ、知恵、脳力など。

会社組織の場合は、経営陣含めて複数の方々がリソースやシーズを分析し確認するプロセスがありますが、個人の場合は自ら独りで行なうことも多くなります。
 リソースやシーズは個々人で違うわけですから、自分自身で分析し、把握しておく必要があります。

リソースがあってもシーズが不足していたり、シーズはあってもリソースが不足していたりする場合もあるでしょう。

自分自身のリソースやシーズなど、現段階で備え持つ能力を超える成果を出すことはできませんが、リソースやシーズを増やしたり、あるいは知人や仲間など周囲のリソースなどを借りたりして、それらを掛け合わせることによって、想定以上の能力や成果(相乗効果、レバレッジ効果)を出すことが可能になります。

その能力総称を「ケイパビリティ」と呼んでいます。

人間というものは信じた自分になることが多い。
もし、自分にはそんなことはできないと思ってしまうと、それで本当にできなくなってしまう。
しかし、もしできると信じたならば、たとえはじめはそのような能力がなかったとしても、それをなし遂げる力を得ることができるのです。
マハトマ・ガンジー [弁護士・宗教家]

「ケイパビリティ」とは?

実現可能力」です。

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“(自分の)強み” とする場合もあります。つまり、「何が出来るのか?」です。

リソースやシーズなどをインプットとした場合、ケイパビリティはアウトプットでなくてはなりません。

知識やスキルなどの内在的能力だけがケイパビリティではなく、アウトプットしていけるこそ、ケイパビリティになるのです。
 ゆえに、「実現可能力」です。

ケイパビリティは、経験を積めば積む程、人脈が広がれば広がる程、大きくなっていく力です。
 そして、自分自身の能力には限界はありますが、周囲の社会的リソースと連携することにより、レバレッジなどが起こり得る状態になります。周囲を巻き込む能力も含まれていると考えています。

ケイパビリティは全ての方が持っています。
「ない!」ということはなく、何かしらの力があるということを信じ、そのケイパビリティが目に見えるカタチとなっていく時、ターゲットに提供できる「価値あるモノ」が創造されていきます。

ケイパビリティの花

ケイパビリティ」を花に例えることがあります。

根がメンタルスキルや資質などで、これまでの経験や思考、知識などの要素の中から、必要なモノを吸い上げます。
 プロセス・セルフマネジメントなど(茎)を施し、また外部とのコミュニケーションや情報収集など(葉の葉緑体や気孔)により外部リソースを投入し、そして、ノウハウ・才能・アイデア(花)を開花していくのです。

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奇麗に咲かせたり、沢山咲かせたり、大きく咲かせたり、カラフルに咲かせたり、珍しいものを咲かせたり‥‥個々人で違う “ケイパビリティの花” という結果物を咲かせることになります。
 月日が経つに連れて、その花はより綺麗に、より鮮やかに、進化していきます。

それが、「ケイパビリティ」という生きた有機体と考えています。

ビジネスや仕事など色々な場面におけるビジョンや目的達成のためには、先手としてこのケイパビリティの抽出プロセスが不可欠になってきます。
 ケイパビリティ=実現可能力を自らが把握していなければ、間違った方向へと進んだり、失敗したりしまうことになるからです。

パーソナル・ケイパビリティの抽出

パーソナル・ケイパビリティ」は自身の備え持つ実現か能力=『自己実現可能力です。

世間で言われている「自分の強み」と類似していますが、さらに包括的かつ全人的な能力と捉えています。

『私は何が出来るのか?』を具体的に要素分類しながら抽出します。

その前の、注意点です。

<注意点>

  • 自身の既成概念は(一旦)隅に置いておく
  • 他者と比較しない(競争するわけではないので、主観的に)
  • 情緒的にならない(劣等感に襲われないように)
  • ためらわない(欠点、嫌な部分も見えてくるため)
  • 素直に受け入れ、行なってみる(自己受容)
  • 時間をかける(怠慢にならない・中途半端にならない)

可視化することが大切です。紙を用意して書き出します。(スマホ・PCでもOK)

<書き出す内容>

  • できること・得意なこと・やりたいことを、10個以上
  • 不得意なこと・やりたくないことを、10個以上

一般的な実務的スキルでなくてもいいのです。

例えば、

  • 他人の話しを聴くことにより、すっきりさせることができる
  • 本を読んで、すぐに感想を書くことができる
  • 朗読が好き
  • ゲーム攻略法を自分で探すことができる
  • 子どもを5人育てた経験がある

‥‥など。

マトリックス分類

書き出した内容を、次の図のようなマトリックスに分類します。

capabilityケイパビリティ強み

せっかくケイパビリティとなる要素を抽出しても、やりたくないこと、楽しくないことを実践し始めたら、長続きしませんし、成果も思わしくないでしょう。
 やりたいこと、楽しいことを前提として進めていくのは自然な流れです。

ケイパビリティ発見・発掘3原則

パーソナル・ケイパビリティを発見・発掘としていくためには、次の3原則を意識すると良いかもしれません。

3factorケイパビリティ発見3原則

最初に発掘する際、「楽しいこと」「できること」は誰でも思い立つのですが、「(他者にとって)必要なこと」も重要なことです。

「好きなコトをやる」だけでは成功しません。ポイントは、そこからつながる「他者貢献」です。

「楽しいこと」「できること」「(他者にとって)必要なこと」を原則として「パーソナル・ケイパビリティ」を発見、発展させていきます

これまでに一番楽しかったこと、飽きることなく継続できていること、克服・体験して感動したこと、などをできる限り数多く把握します。
「楽しさ」に対するワクワク感は、モチベーションを高めるためにも重要な要素です。「楽しいこと」を他の二つの要素に照らし合わせながら、パーソナル・ケイパビリティを発掘していきます。

楽しいことや感動体験を、今後も同じような経験をし続けるために現段階でできること、あるいは少々努力すればできるようになること、などを一つ一つ探っていきます。

例えば、自動車の運転が楽しいという人は、(運転ができる前提になりますが)それはドライブの観点で楽しいのか、人を乗せて運転すること(タクシーなど)が楽しいのか、大きな車を運転すること(トラックやバスなど)が楽しいのか、長距離運転しても平気なのか、など細分化していきます。
 運転が楽しくて技術もあるといっても、毎日八時間以上運転することはできない、と判断すれば、運転できる時間や距離なども考慮して、できる範囲を探っていくのです。

そして、その楽しい体験・経験を他者にも経験してもらう、あるいは他者のために役に立てるためにどうすれば良いのか、などと考えていきます。
 その際、他者はその経験を望んでいるのか、あるいは必要なことなのか、と模索していき、できる限り明確にしていきます。

例えば、自己の楽しく運転できるその技術は、人やモノを運ぶために役に立つのか、その技術を教えることに役立つのか、楽しく運転してもらうために自動車のメンテナンスなどでサポートすることができるのか、などと具体的に考察していくことになります。

ビジネスや仕事で表すと、タクシーの運転手、宅配便ドライバー、教習所の先生、自動車整備士など複数のアウトプット内容が浮かび上がってくるわけです。

これらが明確になってくることで、さらに各々に別の能力が必要であることも分かっていきます。接客力や注意力、体力や構成力、評価力や指導力、知力やイメージ力などです。

「パーソナル・ケイパビリティ発見3原則」を踏まえた上で、「パーソナル・ケイパビリティ」を発見していくことになります。
 一つでも欠けてしまう場合、実現できない、または続けられない、などが予想され、3原則を把握しておく必要はあります。

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