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STPの復習
マーケティング・プロセス「R-STP-MM」の中の「STP」で、
―――自身のキャリアを活かしたい場所を全体から細分化する。場所とは、居たい業界、活躍できる分野、好きなカテゴリーなど(詳細はコチラ)
Targeting(ターゲティング)
―――自身のキャリアを誰のために活かしたいのか、をイメージする。誰と繋がりたいのか定める
―――自身のキャリアは他の人と何が違うのか、を探り具現化する。人生経験や環境、地域などは人それぞれ、の意識で経つ位置を明確にする(詳細はコチラ)
になります。
この「STP」は、時代背景の中で変化していく環境を理解し、抽象的な社会ではなく、ターゲットを絞り(選択し)、能力やスキルなどの個人のリソースを集中させる目的があります。
今回は、その一つである「ターゲティング」について説明します。
ターゲティングの考え方
「ターゲット」は、対象を細かく定めるプロセスです。
ある程度の規模、もしくは資金がある企業、事業主であれば、資金を投入し、マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど)の宣伝広告(マス的プロモーション)を行なうことが可能です。
この場合、大まかな分類でのターゲット層はあるでしょうが、細かいターゲティングはしづらいと言えます。
また、もう一つの欠点として、宣伝費に対する成果が明確にならないと言えます。
マスメディアの宣伝広告費などをかけることが出来ない個人事業主、中小企業の場合、限られたコスト、労力で、宣伝・営業をかけていくと考えると、ある程度細かくターゲットを定めた方が効率もよく、また手法によっては費用対効果が明確になりますので、改善の余地、強化の判断などが容易になるとも言えます。
そのために、「ターゲティング」を行なうと考えてください。
ターゲットを定めるという観点で、「私は、こんな人の為になりたい!」「こんな人に勧めたい!」と決めていくことも問題ありません。
誤解してほしくないのは、「ターゲット」を決めたら、その後変更してはいけない・・・ということではなく、成果や流れの中で変更してもいいものです。プロダクト・商品ごとでターゲットを定めるということもあります。
この辺りは、「プロモーション」の範疇にもなってきます。
今回は、「STP」の一つのプロセスとして、「STP」を絡めた「ターゲティング」で説明していきます。
セグメンテーションとターゲティング
例えば、下図で言うと、分類をセグメントの属性と考えて細分類していった時に、そのセグメントした中からターゲットを決めることが「ターゲティング」です。
下図なら、分類3の“B”をターゲットにするということです。
勿論、サイコロを転がして“B”にする・・・ということではなく、自身のケイパビリティ(プロダクト・商品・サービスなど)やリサーチなどを踏まえた上で、その結果“B”と定めていくことになります。
例えば、先ず、男性と女性に分類し、その次に20歳代、30歳代・・・と年代層で分類、その次に既婚者と未婚者に分類するとします。
そして、ターゲットとして、「40歳代の未婚の男性」をターゲットに定める・・・これが、「ターゲティング」ということです。
本来は、これをもっと絞っていきます。
例えば、「40歳代の未婚男性で、体重80キロ以上の運動嫌いなサラリーマン」・・・という感じです。
さらに、もっと細かく、具体的でも構いません。
その理由は、「プロモーション」がしやすくなるということです。
実例
(セグメントによる「ターゲティング」で成功した商品)
朝、多くの若いサラリーマンが出勤前にコーヒーを飲むことに気付いたメーカー。出勤前の若いサラリーマンをターゲットとして、朝専用のコーヒーを販売。結果は大成功。
CMも当初は若いサラリーマンが主になっています。人気アーティストグループを登用した際も、サラリーマンと絡ませています。
缶コーヒーは夜飲んでもいいはずですが、プロモーションとして、朝専用にしてしまったんですね。
ポジショニングとターゲティング
前記した“朝専用コーヒー”の場合は、缶コーヒー市場の激戦区で、“朝の時間帯”というポジションを抑えたことになります。
(他にも・・・色とかネーミング・・・イメ・キャラもそうです。)
「ポジショニング」は、商品そのものの「ポジショニング」と会社や人物の「ポジショニング」が可能です。
「ポジショニング」と「ターゲティング」はどちらが先・・・ということはなく、その人・会社の状況、立場などに適した決め方でいいのです。
今回は、例えとして、人物の能力、スキルを活かした「ポジショニング」による「ターゲティング」を見てみます。
ある業界・カテゴリーにおけるスキルや経験値などや年齢や地域などでセグメントした分類の中で、あなたがトップになる
ポジションを見つけます。下図で言えば、“B”です。
(その上の人たちと争う必要なありません。)
“B”のポジションを取ることで、その下(上図での赤い三角の範囲)がターゲットになるということです。
上図では、三角形にしましたが、四角でも丸でもいいのです。
色々な要素を勘案し、「ポジショニング」を行ない、その類似、共通する人たちをターゲットにしていくということになります。
例えば、カレーショップを営業したい・・・と考えた場合、当然、激戦市場で、ライバルもあり、また家庭でも食べられる料理のため、ポジショニングがポイントになってきます。
「どなたでも、来て下さい!」ということでは、ライバルとの差別化にもなっておらず、「美味しいカレー」だとしても、先ず来店してもらえなければ、その味を伝えることは出来ません。
そこで、先に仮想として「ターゲティング」を下図のように決めました。
そのターゲットとなる仮想客が好みそうなショップのタイプを考えてみます。
その時に、そのタイプのポジションにライバルが存在しないをリサーチし、一つ一つクリアしながら、ポジションを絞っていきます。
上図以外の要素、店の質、営業時間、会員制など、色々探っていきながら、「ポジショニング」を定めていくのです。
「ポジショニング」と「ターゲティング」を別々に考えるのではなく、関係性を理解した上で、リサーチしてから行なうことになるでしょう。