無意識ストレスは危うい

ストレス・・・

って生きていく上では、上手に付き合うことがベストです。

※以前の記事:「ストレスを味方にすることが重要」

stress,ストレス

ストレスの原因となる因子は「ストレッサー」と呼ばれ、次のように分類されています。

● 物理的ストレッサー

(暑さ、寒さ、騒音、紫外線など)

● 化学的ストレッサー

(酸素欠乏・過剰、栄養不足、薬物など)

● 生物的ストレッサー

(病気、感染、怪我、運動不足など)

● 心理的ストレッサー

(精神的苦痛、不安、怒りなど)

● 社会的ストレッサー

(人間関係、経済情勢、情報過多など)

 

これらは表面化、顕在化していくものです。

しかし、最近やっかいなストレスがあります。それは、「無意識ストレス」といわれるもの。

 

無意識ストレス

そのままの意です。

無意識的にストレスが蓄積されているものですね。

お陰で自身で気付くことはさほどなく、ストレスによる病状が表面化してから気づくことになります。

ただ、その病状がストレスによるもの、なんて専門家ではないですから分かるはずもなく・・・。

ストレッサーが人間関係や仕事、あるいは環境の変化など、何かしら考えられることがあれば対処すること、改善しようとすることが可能です。

 

しかし、

「無意識」であるが故に対処が難しいのです。

認知できないし、自覚症状が不明瞭だからです。

結局、症状が表面化する時には、重症化している場合が多い、と言われているわけです。

花粉症に突然なる人の理由の例えとして、『コップに徐々に貯まったものが溢れた時、花粉症になる!』と解説している人がいます。

 

”無意識ストレスの蓄積による重症化”も同様ではないでしょうか。

最近、

男性更年期障害になるLOH症候群

が増加しているとのこと。

症状は、不安、いらいら、うつ、不眠、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減少、疲労感、さらに筋力の低下、頭痛、めまい、発汗、頻尿、等。

女性の更年期障害と同様の症状です。

LOH症候群は、テストステロン(男性ホルモン)の低下によるものとされています。現在日本では、予備軍250万人とも600万人とも言われています。

さらに、自律神経系の病気も増えています。最悪なのは、男性の自殺者が減らないということ。

 

この原因の一つになっているのが、お気付きのように「ストレス」です。

予備軍が多いのは、「無意識ストレス」を抱えている人が多い、と考えることもできるのではないかと・・・。

日本人はもともと、感情表現が下手な国民と言われていますよね。

今テーマの「無意識ストレス」を考えると、ストレス反応(ストレッサーに対する反応)でさえも、表面に出すことが下手な国民になっているのかもしれません。

 

では、「無意識ストレス」の原因は、何なのでしょうか?

個々人の無意識のため断言できませんし、多種多様だと思われます。

私が思い当たる身近な要因の一つとして、

自身の”思い込みと現実とのギャップ”

があります。

「思い込み」です。

パラダイムとかビリーフとか専門的用語を使わずとも、単純に、自身が勝手に脳内で描く「思い込み」です。

「思い込み」って?

 

それは、

「~でなければならない」

「~すべきだ」

「~あるべきだ」

・・・などなど。

 

このようなニュアンスの思考・価値観をもち日々を送っている人たちが、いませんか。

完璧主義者、べき主義者、白黒主義者などに多いのかもしれません。

「思い込み」は自らが抱く”期待値”であり、言い換えれば「理想」でもあります。

そこには、「自分は~と思ってやっている」……が生じていることも。

例えば、

「当然だと思っている」

「普通だと思っている」

「こうすべきだと思っている」

「これが正しい方法だと思っている」

「こうあるべきだと思う」

「俺の経験ではこうだ。だから正しい。」

「私は親(上司)に教わった。皆もそうすべきだ。」

「今日は晴れるはずだ。」

「昼間は暑いはずだ。天気予報で言っていた。」

「このお店の料理は美味しいはずだ。」

「このプレゼントなら喜ぶはずだ。」

「このファッションなら褒めてくれるはず。」

「この商品は売れるはず。」

「この企画書は通るはず。」

「年下は年上に敬語を使うべきだ。」

「お前から俺に挨拶にくるべきだ。」

「上司なら、部下に奢るべきだ。」

「女は、お茶汲みをするべきだ。」

「男は、女性に優しくするべきだ。」

・・・などなど。

 

これらは全て、個々人の持っている勝手な「思い込み」。

だから、それとは少しでもズレた現実があると、(あれ? おかしいなぁ‥‥)心中の乱れがほんの少し、発生します。

例えば、こんなことも。

「美味しいと思っていたが、それほどでもない」

「楽しいと思っていたが、それほどでもない」

「できる部下と思っていたが、大したことがない」

「優しい女性と思っていたが、普通だ」

「自信ある企画だったけど、褒めてくれない」

「涼しいと思って上着持ってきたら、暖かくて邪魔」

「雨の予報で傘を持っていたら、降らず邪魔」

「ベストセラーの本だから読んだのに、つまらなかった」

・・・などなど。

 

こんなことを聞くと、大したことがない内容だと思うでしょう!?

しかし、これが心と脳の中でのギャップなのです。

マイナス的な期待はずれということですね。

『翌日、いやもう夜には忘れてるよ、そんなこと』

と思い込むことは、危険です。

時を経る毎にこの積み重ねが増すと、「無意識的ストレスの蓄積」になっている、と私は考えています。

仕事の中で、家庭の中で、プライベートで、気づかない、あるいは気づいているけど自分に言い聞かせているギャップ(ズレ)が個々人にあるのではないですか?

「いい会社だと思っていたが、少し違う(みたい)」

「給料をもっと貰えると思っていたが、仕方がない」

「長くこの仕事を続けるためには、上司には逆らわない」

「俺はできるやつなのに、誰も評価してくれない」

「実際やってみて楽しくないけど、仕事だからなぁ〜」

「家族を養うために、頑張って残業するしかない」

「家族のために、マイホーム建てるべきだ」

‥‥などなど。

 

「仕方がない」

「これが大人だ」

「これが人生だ」

「これが会社員の勤めだ」

「男は外で働き、女は家を守る」(古い?笑)

「これが常識だ」

「これが普通だ」

「所詮、この程度さ」

このような勝手な「思い込み」は、”妄想的””偏見的””個人的”なことのままになっており、長期間放ったらかしにしている状態なのです。

 

日本の学校教育、家庭教育、企業教育の賜物になっている、かもしれません。

ですが、気がつくことが出来れば病状として表面化する前に日頃から対策を講ずることも可能となります。

「思い込み」ではなく、心の解放(常識からの脱却)と本来の使命(人生の役割)により、個を磨くこと(人間力の概念)です。

「~でなければならない」

「~すべきだ」

「~あるべきだ」

は、周囲の人と比較して、あるいは、従来の概念、経験、手法などを前提としてもしくは、上司や親に期待されてその状態・状況を自身の内々に勝手に作りだし、それに向かってただ進んでいる(ように勘違いしている)わけですから、

周囲の人と比較することなく、従来の概念常識、手法などは参考程度にして、自分なりのオリジナリティを出し、周囲の期待感ではなく、自身の使命感・責任感で自身の望む人生の目的(ミッション・ステートメント)により、仕事と環境と生活を獲得すれば、「思い込み」とのギャップは減るのでないでしょうか。

コーピングスキルも、従来のものではなく、個人に適した新たなものを作り出していかないと、人は次第に、心身共に弱くなる一方です。

 

その反面、医療の発達により人工的、薬物的に延命させられるロボットのように機能的になる気がしてなりません。

それが、アトムやあられちゃんならいいのですが。笑

 

atom
arare

 

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