心幹強化「ストレス・マネジメント」
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ストレス・マネジメントとは
簡潔に言うと、「上手なストレスとの付き合いかた」です。生きている以上、ストレスは付きものと考えてください。
「俺は人間関係が嫌だ〜」
と言って、無人島に住んだとしても、今度は、孤独感に対するストレス、不安、寂しさ、刺激のなさ・・・色々なストレスが襲いかかります。
今いる環境(時代背景も含めて)で、いかに上手に付き合っていくかということでは、人間関係と同じくらい、必要なのかもしれません。
そのための方法が、「ストレス・マネジメント」ということです。
会社にお勤めであれば、会社関係、顧客関係とのストレスはあるでしょう。
そういった意味では、ストレス・マネジメントも会社組織で行なうのも必然なのかもしれませんが、個人個人で行なうことは、人生において重要課題なのです。
会社内で行なうのは、個人に対するというより、社員全員に対するマネジメントになります。
しかし、以前記事にした「コーピング(ストレス対処法)」は、人によって作用・反応が違うということです。
個人に対して、会社ができるとすれば、産業カウンセラーやセラピスト、メンタルケアアドバイザーという方を専属で社内(または委託契約)に常駐させたりすることも一つです。
厚労省がセルフヘルスケアの強化を促しているのも、職場における過剰ストレス、病状を改善しようとする動きなのです。
このような他者による支援を
ソーシャルサポート(社会的支援)
といいます。
心理学のプロの方でなくても、家族や友人、知人からのサポートも同様です。
ただ、ストレスの緩和にはなりますが、完全な解決にはなりません。解決するのは、結局自分自身であるということです。
ストレスの仕組み
ストレスは、ストレッサーが要因となり、外部または内部からの刺激に対して、個人の思考や体験、さらにその人の癖などで評価、いわゆる判断を脳(自動思考)で行ないます。
自動思考は、瞬時に判断してしまう思考。ということは、「メンタルモデル」とも言えます。
過去の経験、普段考えていること、信念や価値観、癖(完璧主義、べき主義、白黒主義、悲観主義など)によりそのストレッサー(ストレス要因)を認知すると同時に(害か無害かを)判断をします。
※ストレッサーとは、ストレスの要因となるもので、
外的・内的因子があり、次のようのものです。
ただし、同条件であっても、個々人で相違します。
● 物理的ストレッサー
(暑さ、寒さ、騒音、紫外線など)
● 化学的ストレッサー
(酸素欠乏・過剰、栄養不足、薬物など)
● 生物的ストレッサー
(病気、感染、怪我、運動不足など)
● 心理的ストレッサー
(精神的苦痛、不安、怒りなど)
● 社会的ストレッサー
(人間関係、経済情勢、情報過多など)
その時に、ポジティブか、ネガティブかの受止め方で反応が変わります。ですから、同様の環境におかれた複数の人がいても、ストレス反応は様々です。
ストレスと感じた場合の反応は、
- 行動的反応(八つ当り・過食・飲酒・脅迫・無視など)
- 心理的反応(不安・悲哀・悲観・激怒・恐怖・鬱など)
- 身体的反応(発汗・心拍上昇・震え・胃痛・吐き気など)
として表面化・顕在化されるのです。
この行動・心理・身体の反応とは、独立した反応ではなく、相互作用(深い関係性)があるということを忘れてはいけません。
ストレス耐性が強い、弱いとか、ストレスを感じやすい、平気だとか、人それぞれですから、特にストレス耐性の弱い人、感じやすい人は、長い人生の中で、要因となるストレッサーとその対応策など講ずることをしなければ、身体的、心理的、そして人間関係性までも悪化していくのです。
そんな人には、「ストレス・マネジメント」をおススメします。その対処法が、「コーピング・スキル」です。
コーピングは、人によって有効か無効かが違いますので、自身に合ったコーピングを見つけることがポイントです。
「ストレス・マネジメント」について
(1)自身の普段の状態を把握する
ストレスのかかっていない状況での自身の行動面、心理面、身体面で把握します。
(2)ストレッサー(ストレス要因)を理解する
自身の生活、仕事、環境、家庭、人間関係など外的要因、内的要因全てにおいての思い出されるストレッサーを書き出し、把握します。
(3)そのストレッサーに対しての反応を確認する
(2)で書き出したストレッサーに対して、自身のストレス反応を確認します。
例えば、落ち込む、八つ当り、不眠、飲酒・喫煙増など
(4)ストレッサーに対するコーピングを思案する
各々のストレッサーに対してコーピングを考えますが、この時、変えられるもの・変えられないもの、あるいは、コントロールできるもの・できないものを明確にすることが必要です。変えられるものは、すぐに変え、変えられないものは、素直(謙虚)に受け入れます。
コーピングは数多くある方がいいので、徐々に増やしていきます。
この4プロセスを用紙に書き出し(可視化し)、行動に移しましょう。
考えたコーピングが思い通りに作用しない場合は、他のコーピングを試していきます。
PDCA(計画、行動、検証、改善)ですね。
このようにして、自らのストレス反応に対するコーピングスキルを発見し、実践していきます。
これが身に付くことにより、これまでの過度なストレスから解放され、身体的にも心理的にも楽になるのであれば、ストレス・マネジメントによる成果です。
一人で行なうことに不安があり、あまりにもストレス反応が強い場合は、他者に強力・支援してもらいます。
これは、ソーシャルサポートといい、専門のカウンセラーやアドバイザーの方と一緒にマネジメントしていくのです。
ストレス社会に負けないための対策は、自分で行ないましょう。
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