個人能力指数系SQ、EQ、PQのバランス

日本に限らず世界中で、IQ(知能指数)より重要な能力指数があると言われています。それは、教育(進学や就職)のみならず、社会人(仕事や人間関係など)としての必要能力と考えています。

特に「SQ(Social Quotient)=社会的知能、精神的知能」、「PQ(Physical Quotient)=身体的能力」、「EQ(Emotional Quotient)=心の知能指数、感情指数」この三つの能力指数は、IQ=知能指数よりも重要視する必要性があると強調され始めました。

その他にも、AQ(Adversity Quotient=逆境指数)、MQ(Moral Quotient=道徳性知能)、CQ(Creative Quotient=創造性知能)、などの能力指数(Intelligence)も必要と考えています。

個人の能力は様々で、一能力が吐出している場合もありますが、自己の三大パーソナル・キャリアを踏まえると、能力指数もバランス(調和)が大切であると言えます。

今回は3つのプロトコル・キー概念に基づき、分析してみたことを踏まえ、記述しています。

Intelligence(能力指数)

intelligence能力才能指数,PQ,IQ,EQ,SQ,AQ,CQ

SQ(Social Quotient)

「SQ」は、社会的知能・精神的知能であり、リーダーシップ・キャリアに深く関与しています。

※ゴールマンによるSQは、Social Intelligence and the Biology Quotientの略

個人が社会の中で生きていくための基軸というべき能力になりますが、SQの高さによって、成功の度合い、豊かさのレベルが変わるとされているものです。
簡単に言えば、「SQは人生の質を左右する」ということになります。

SQの要素について、ダニエル・ゴールマン(Daniel.Goleman)を参考にすると――

社会的認識の能力」と「社会的才覚(社交性の能力)」の二分類されているようです。
社会的認識の能力」は、

  • 察知力(相手の内面性など)、
  • 理解力(相手の感情・思考など)、
  • 社会力(社会状況の理解など)

に関するもの。

社会的才覚(社交性の能力)」は、社会的認識の能力をもとに、

  • 共生力、
  • 自己表現力、
  • 影響力、
  • 問題解決力など

に関するものです。

つまり、
社会的認識の能力」はインプットに関する能力、「社会的才覚(社交性の能力)」はアウトプットに関する能力、と捉えることができます。

カール・アルブレヒト(karl.albrecht)のモデルを参考にすると――

  • 状況認識能力(相手・社会的状況を認識)、
  • 表現能力(言語・非言語レベルで円滑に相互作用可能)、
  • 信用性(正直・信頼・倫理など)、
  • プレゼン力(自分自身や考え、ビジョンを伝え協力を得る能力)、
  • 共感力(相手の思考・感情・意図を理解し、同じ立場で、好意と協調が可能)

の五要素が関係しています。

また、
SQについては脳内物質が深く関与している、という報告もあります。
笑いやユーモア性などによるドーパミンなどの分泌物により脳内が活性される、ということですが、これにより、他者に対する共感性や社会性の能力が高まる、と言われているようです。さらに笑いやユーモア性は、人間関係における潤滑油にもなります。

まさしく、リーダーシップを発揮するために不可欠なIntelligenceと言えるでしょう。

PQ(Physical Quotient)

「PQ」は、身体的能力であり、フォロワシップ・キャリアに影響を与えます。

活動のハード面として、実行・実践・体現・試行などに関わる体得的能力(技術など)であり、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を使った能力、です。
また、
無意識的範疇の内蔵系や細胞単位における健康管理や生活調和も、このPQに該当します。

例えば、
未経験の事がらや困難なことにも挑戦(トライ)し、実行・実現できる場合はPQの高い人であり、挑戦(トライ)することもせず出来ることのみを繰り返している場合はPQが低い人、と言えます。PQの高い人の傾向は、知識や技術などを学習・鍛錬によって磨き上げ、低い人の傾向は、怠慢になりがちです。
また、
睡眠、食事などの生活習慣を自己管理(セルフ・コントロール)することによって、良い健康状態を保持している場合は高いPQ、過度のストレス反応・睡眠不足・過食少食、酒・タバコ・ギャンブル・薬物などの依存、体調を崩し休みがちなど、仕事や生活に悪影響を与えている場合は低いPQ、と言えます。

知識が豊富(高学歴者・学識者)であっても、道徳観があっても、目的や使命を果たすために行動・体現できる能力・体力がなければ、目標達成、夢実現などからはほど遠い結果を招くことに他ならないのです。

もしこれが会社組織である場合、SQの優れたリーダーがいても、その命令・指示を実行できないPQの低い社員(フォロワー)では、仕事の質は低く、成果もままならないものとなっていくことでしょう。

良い生活、良い身体状態、レベルの高いスキルやテクニックなどを修得するためにも、良習慣化は絶対不可欠です。現状を改善し、向上させていくことがPQ(身体的能力)を高めることになります。

そして、
PQを高めることは、SQ・EQを高めることに繋がっていくのです。

EQ(Emotional Quotient)

「EQ」は、心の知能指数・感情指数であり、マネジメント・キャリアのベースにもなってくるものです。EI(Emotional Intelligence)とも称されています。

前記したSQは、EQを拡張(発展)させた概念とされており、類似されている点もあります。
SQを対社会に対してのマネジメント能力とすれば、EQは対自己に対してのマネジメント能力、と言えるでしょう。

EQについてゴールマンは、

自分と他人の感情を認識し、自分をモチベートし、自分の感情を自己の内面においても人間関係においてもコントロールする能力

と定義づけています。

その五大要素として、

  • 自己認識(メタ認知・自覚)
  • 自己規制(自己管理・自己制御)
  • 動機付け(モチベーション制御)
  • 共感(社会性・寛容)
  • 社会的技術(社交性・対人スキル)

がある、と言われています。

これらは、マネジメントに必要な要素です。ただ人や仕事を管理・監督することがマネジメントではありません。もしこの要素が欠けているマネージャー的立場の人がいるとすれば、自己中心(エゴ)・傲慢・高慢になる恐れがあり、当然良い結果が生じることはないでしょう。

EQを心や感情の能力指数と捉えるならば、己をマネジメントできる者、つまりセルフ・コントロール(自己制御)できる者でなければならない、と考えることができます。

「他者よりも先ず自身」という意識よりも、「集団の中の自身」の立場で、社会的相互関係を重視しながら、五大要素の修得のために同時進行させていかなければならないと、私は考えています。

EQを高めることで、SQもPQも成長させることができる、と信じています。これによって、パーソナルキャリアを促進させることができるのです。

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【参考】 インターネットでの無料EQテスト

◎ http://eqtest.biz/
 ◎ http://www.arealme.com/eq/ja/