キャリア脳を打破し、プロデュース脳を活かす

キャリア脳かプロデュース脳か

この国の義務教育制度と学校社会のあり方について、以前から”限界”が囁かれているのは、ご存知でしょう。
 否定する方もいますが、運営側と教師と子どもと保護者間の多くの課題は、知性のみならず、人間性も低下させていると、私は感じています。
 そこに危惧している家庭は、日本の学校教育ではなく、国内で他の教育手段によって、子どもたちに必要な教育を受けさせています。

つまり、日本国内だけに通用する公立中卒・高卒・大卒という肩書き(学歴)を必要と感じず、世界に通用する教育を!、という親の教育方針であり、育成企画が広まり始めています。

これが正しい、間違いという評価はせず、その考え方は有効と感じています。

「親や学校の言われるがままに勉強し、大学に入り、いい会社に入って……」、この従来レベルの育成で社会に出た大量の大人を、「キャリア脳」化した社会人と捉えています。

言われたことしか出来ない、言われないと出来ない……つまり、自律ではなく他律であり、自立型ではなく依存型の生き方、の人たち。不毛社会環境と大人の幼稚化(野蛮化)が増加するのも、頷けます。

しかし、少数ですが「自己の使命や目的に基づき、守破離的に成長できる人たち」もいます。

プロデュース脳化した社会人です。

社会に役立つことを見つけ、自力&他力を融合させながら目的成就……つまり、「自律性のある自立した社会人」としての生き方、を実践している人たちです。

ここでの「自立」とは、日本的教育が指す「働いて生活費を稼ぎ、一人でも生活を営むことができる」レベルのことではなく、これまでの環境から離れても「自己の生き方に責任を持ち、人生を創造できる」レベル、と考えてください。

例えば、解雇されても派遣切りにあっても行政支援を受けずに稼ぐことができる、不運により家族が亡くなり一人ぼっちになっても生きていける、震災で故郷が壊滅しても、別地で稼ぎ生活できる……など、そのようなレベルに達していることです。

これは孤立や孤独ではなく、環境順応性スキル(キャリア)になります。

キャリア脳は3Sで打破

「キャリア脳」であることを否定しているわけではありません。

ですが、現状に疑問・疑念・違和感を覚えているのでしたら、どこかに「プロデュース脳」になりたい自身がいるのかもしれません。

何かしらの別のエネルギー的要素を付加しなければ、一生そのままの状況であることは、目に見えています。

「変わりたいけど、変われない」人たちがそうです。

「別に変わりたいと思わない」人たちは、依存型のままでいいでしょう。

物事を行なう人(活用する人・自立型)と見ている人(活用される人・依存型)が存在して社会は成り立っているわけですから。

もし、キャリア脳から脱し、「変わりたい」を「変わった」にしたいのなら、すでに「3S」の行動に移していると考えられます。

3S」とは、整理清算化・志向化・修得化の3カテゴリーの”S”です。

簡単に説明すると、「責任もって考え、決め、行動する」になります。

成長プロセス3S概要

この「3S」を、次の5プロセスに沿って実践していくだけです。

インスパイリングフロー

その結果として、キャリアデザインの必需となる主なる能力3Kを身につけることになります。

決断力,考察力,活動力

この「3K」を磨くためには、単純に5プロセス(知る・変わる・定める・企てる・進む)を繰り返していくだけです。

繰り返すとは、同じことの繰り返しではなく、スパイラル的に成長していく上での繰り返し、ということになります。

必需的能力「3K」とは

考察力とは

「考察力」とは、

物事を明確・明瞭にするために、調べたり考えたりする能力(キャリア)です。

なぜ? どうすれば? という問いを見出だし、調べる、比較する、考える(思考)、模索する、探求するなど(情報・知識の獲得と知恵)によってその問いに答え(応え)られるよう、自分なりに論理的かつ正当(他の人の正当とイコールではない)な解答・理解・解釈・概念・活動プロセスなどを、明確・明瞭にしていきます。

時には直面した場面・環境での適切な選択肢を経験値の中で見出だします。

「決断」「活動」後の結果想定・測定基準・リスクなども事前に把握しておくことになるでしょう。

「活動」によってもたらされた結果を分析し、予想・想定とのズレ・差を発見、再確認・再構成していきます。

「考察」の方法は、頭の中で考える以外に、パソコンやスマホのツール、書籍や人との会話、ノートに記録など、手段の多い方が偏りなくていいでしょう。

決断力とは

「決断力」とは、

物事の判断・決意を主体的かつ自律的に行なう能力(キャリア)です。

他人に依存せず(他人に頼らないということではない)、「考察」によって得られた選択肢から選択すること、命題・目的・価値観などを確定(志向・指向)すること、一貫性を保つこと、そして「考察」「活動」の善悪(法律の善悪ではない)・可否を適切に判断することです。

「断つことを決める」のですから、何かを得るためには何かを捨てる、何かを選べば何かを諦めるということになります。

例えば、高価なブランド品の購入を決断する場合、お金という財産を断つことになります。

転職や転居を決断する場合、今の環境を断つ行為になるわけです。

断つモノ・コトが大きければ大きいほど人は悩みます。

問題は悩み方。

如いて言うなら、悩むのはムダ。

「考察」すれば自ずと答えに近づきます。

活動力とは

「活動力」とは、

目的や目標の達成、使命や役目を果たすために活発に動くこと、全ての言動(所作、動作、生活、行動、行為、コミュニケーション、運動、学習など)であり、実現・表現・体現する能力(キャリア)です。

計画したことを実践する、未経験のことを経験する、設計したものを実現する、イメージしたものを表現する、伝えるために体現する、予測・推測したものを実際に確認するなど、リアル上で可視化、具体化、具現化していきます。

イメージのまま、抽象のままでは意味を成しません。

「絵に描いた餅」「理想論」「空理空論」にならないよう、現実にするためには「活動」することになります。

例えば、

「アイデアのままではなくイノベーションにする」「想像のままではなく創造する」「夢を現実にする」ということです。

成功するだけが目的ではなく、試行錯誤という観点で挑戦するという意義も大きいです。

経験することで得られる知識やスキルがあればあるほど、「考察力」「決断力」に良い影響を与えます。勿論、健康維持や体力増進なども「活動」あってのことです。

この「3K」がベースとなり、色々な場面で活躍することができます。

継続によって得られたのは、「3K」のみならず、「5K」へと広がっていきます。

決断力,考察力,活動力,継続力,拡張力

この「3K」または「5K」は、見ての通り、特別な仕事に関係するものではなく、どんな仕事であろうと、仕事以外の場面であろうと必要であることは、理解できると思います。

さらにプロデュース脳』に関わってくる必需能力なのです。

もっと掘り下げ、個人の生き方に関連づけるためには、「キャリアデザイン」という考え方が必要になります。