人脈作りを考える〜友達か?仲間か?
“人脈作り” とは「友達」作りなのか、「仲間」作りなのかを明確にし、自身の望むライフスタイルに不適合な人間関係は整理する必要がある。
ここで考えたいことは、「友達」と「仲間」を分類するということ。さらに、適合しているか、していないか、を意識すること。
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友達と仲間の分類
- 友達は何人いますか?
- 仲間は何人いますか?
こんな質問をすると大抵の方は、「友達」より「仲間」が多いと思う。
個人的な経験としても「仲間」の人数がダントツに多い。
ここで気にすることは人数の差ではなく、人は「友達」と「仲間」を見極め、相手一人ひとりに対してカテゴライズ(分類化)しているということ。『◯◯さんは友達』『□□くんは仲間』‥‥という感じ。
友達≠仲間
そもそも「友達」と「仲間」は類義語ではないし、属性が違う。つまり、“=” にはならない。
例えば、
- 仕事上のプロジェクトチームに属する上司は「仲間」だが、「友達」か?と聞かれれば、違う。
- 中学、高校の同級生は「仲間」と言えるが、「友達」か?と問われれば、対象は限られる。
- ◯◯オタクとして気の合う「仲間」はいるが、「友達」か?と聞かれれば、そうとも言い切れない。
- アイドルユニットのメンバーは「仲間」だが、「友達」か?と聞かれれば、皆がそういう関係ではない。
「仲間」と「友達」の辞書的意味
※「仲間」とは・・・
1 一緒に物事をする間柄。また、その人。
(出所:デジタル大辞泉より)
2 地位・職業などの同じ人々。
3 同じ種類のもの。同類。
4 近世、商工業者の同業組合。官許を得たものを株仲間といった。
※「友達」とは・・・
互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。
(出所:デジタル大辞泉より)
なのに英語圏では、「友達」も「仲間」も “Friend” フレンドを使えるらしい。
生活環境や価値観の違いなのだろうが、日本語にすると同じとは考えづらい。「友達」は “Friend” フレンドで、「仲間」は “Companio” コンパニオン、“Buddy” バディ、“Fellow” フェローなどに使い分けても良いかもしれない。
『俺たち友達だよな!』や『仲間を思いやろうよ!』と言うと、胡散臭い印象もあるが、日本人的には「友達」「仲間」を使い分けることで、各々が良いコトバになると思う。
友達になる人、仲間になる人
「友達」である人と、「仲間」である人が、同一人物であることは望ましいかもしれないが、刹那的(瞬間的)観点では同じになれないと考えている。
では、
今の「友達」はどのようにして「友達」になったのだろうか?
今の「友達」になる人は、どんな人なのか?
今の「仲間」はどのようにして「仲間」になったのだろうか?
今の「仲間」になる人は、どんな人なのか?
「友達」を「仲間」に引き込んだのか?
「仲間」だった人が「友達」になったのか?
時系列的に捉えると、後者の方が確率的に高い気もするが、偶然の出会いから「友達」になることもある。
偶然の出会いから「仲間」になる‥‥ことはあるかもしれないが、「仲間に引き込まれた」という感が強い。
友達をつくろう!?
『友達をつくろう!』と言うセリフを幼少期から耳にしているが、今ではナンセンスと感じる。
『一緒に遊んだりしゃべったりする』関係であれば、初対面でもそれほど時間を要しない。『互いに心を許し合って』『親しい』関係を築こうとなると、容易ではない。
つまり、『友達をつくろう!』と考えて「友達」を得ることは、この社会と大人の世界では難しい。
サークルや合コン、ボランティア活動やイベント、趣味の集まり、ワークショップやセミナー、あるいは会社や業界団体という多人数の “集団” から出会いがあり、経緯があって「友達」になる人が見つかるかもしれないが、確率は……社交的か、そうでないか、で差が出てくると思う。
ただ、その “集団” に自分自身が居ることは、「仲間」に加わった確率は高い。それらの “集団” の主催側が自分自身であれば、「仲間」を得たと言える。
稀に『あの人と友達になりたい!』と強い想いからアプローチする人もいる。
“あの人” の存在と人間性などが把握できているからこそ、“あの人” の良さに引き込まれ、“あの人” と一緒にいることでの自身のメリット(例えば、楽しい、安らぐ、など)をイメージすることで、「友達」になるために行動するのだろう。“あの人” の容姿や家系、有名度や資産など、当初は下心があったとしても、「友達」として『互いに心を許し合って』『親しい』関係が築ければ、結果オーライ。
アプローチしたいが『(断れたらどうしよう)』という不安が先立ち、行動できないタイプは、結果オーライの「友達」は見込めない。
アプローチされる側に自分自身がなれば、結果オーライは見えてくる。
稀なケースを除いて単純に考えると、「友達」は意識してできることではなく、時間とキッカケの中で “生まれる” と捉えて良さそうだ。
「友達」になる人とは、“心” で感じ、“心” の繋がりによる相手。つまり、自分自身の “心” の反映による対象と言える。
仲間をつくろう!?
それに対し、「仲間をつくろう!」と考え本気で動けば、「仲間」は見つけることができる。
「仲間」の定義は、ある “目的” があって、方向性の一致があることで成立する、という単純な考え方ができる。
同じ “目的” で行動を共にする「仲間」といえば、会社組織や学校関係、地元地域などを例にあげることができるし、多くの方が体験している。
それ以外に、目的を一にするプロジェクトチームやスポーツチームならば “チームメイト” という存在がある。
昭和時代のアイドル(例えば、工藤静香氏や南野陽子氏など)のファンたち、当時 “親衛隊” に参加した人たちも「仲間」だし、アイドルのバックダンサーも「仲間」になる。
SNSでの◯◯◯グループ、近年のクラウドファンディングで支援する人たち、震災時に集まるボランティアの方々、オフ会に参加する人たち、オリンピック・パラリンピック開催で集うスタッフ、なども含まれる。
ある “目的” を果たすために互いに協力し合い、共に励まし、壁も乗り越えていくような、志を一にした関係が「仲間」と言える。
「仲間」となる人は、“目的” や “目標” 、“志”(志向)などの共通点によって集い、繋がる相手。
要するに、自分自身の “目的” や “目標” 、“志”(志向)などが明確であれば、「仲間」になる人を見つけやすいということになる。
そして共通点がなくなれば、繋がりはなくなる対象と言える。
つまり、プライベートの “心” のつながりである友達とは一線を画す。
友達を巻き込むな
『友達を(仲間に)引き入れる』『友達を(仲間へ)巻き込む』という表現があるが、実体験としては抵抗感がにじみ出てくる。
「友達」が「仲間」になるのは、『一緒にやらないか!?』『一緒に始めないか!?』という誘いに快諾できる信頼関係があると想定できる。
裏切られる可能性もあるが、その際はその程度の友人関係だったと受け入れるしかない。
『ずっと友達でいたい人とは、ビジネスや仕事をしてはいけない』とする意見には賛成である。
ビジネスや仕事を行なう時、失敗(赤字)や成功(儲け)がある。その結果によっては関係性に歪みが生じる。「友達」でなくなる可能性がある。
共に奮闘する「仲間」を求めるなら、そこに大切な「友達」を含めないことこそ「友達」だと考える人もいるだろう。
困難を乗り越えて “目的” を果たした時に喜びを分かち合いたい「仲間」こそ「友達」だと考える人もいるかもしれない。
ただ、ビジネスや仕事に「友達」は巻き込まない方がいい。これからも「友達」でいたいのなら……。
ビジネスや仕事について「友達」に愚痴をこぼしたり、相談や助言してもらったり、慰めてもらったりすることは問題ない。(相手がそれで良ければ、だ。)
ビジネスや仕事には、「友達」を巻き込むな! である。
害になる人とは、距離をおく
自分自身にとって “害” になる「友達」「仲間」とは何だろうか?
ここで言う “害” になる人とは、「悪い人」という意図ではなく、弊害になる人、障害になる人、妨害する人のこと。
つまり、自分自身が望む人生を進もうとする道を、妨げたり、塞いだり、遅らせたり、邪魔をしたりする対象のことだ。
自分自身の “目的” やビジョン、夢、目標の達成を妨げるような害になる人とは、距離をおくことを勧める。
それが「友達」であっても同じ。
プライベートでは仲の良い人であっても、目的や目標を持って前進しようとする時に妨げられては、堪(たま)ったものではない。
大切な時期、重要な岐路に立たされている時には会う機会、話す機会などを減らす。誘われても断る勇気が必要になる。
害になる人の具体例
熱湯に水を加えると水温は下がるが、これは熱湯の熱エネルギーが水に吸い取られたから。
人間関係もこのようなエネルギーの交換が起きる。
超ネガティブな人やクレーマー、あるいは相性の悪い人と話しをしていたら「疲れた!」という体験はないだろうか。
相対する人の放った負のエネルギーを受ける(浴びせられる)ことで、自分自身の正のエネルギーが引っ張られてしまう。エネルギーが吸い取られた状態と言える。
可能な限り、回避(無視ではない)しなければならない。
もう一つ。
『やめた方がいいよ。あなたのために言ってるのよ!』
『ムダだからやめときな!』
『失敗するからやめておきなさい』
『あなたにはムリ!』……
このようなことを言う人は、アドバイスをしてくれる人ではなく、邪魔をしている人。
あまりにも無謀な目標や夢であれば、そんな相手の意見も聞き入れる必要はあるかもしれないが、行動によって実現可能な目標や夢に対することに、他人が主観的に反対意見をするなら、まさしく典型的な “ドリームキラー” のセリフ。
可能な限り、距離を離すに限る。‥‥少しずつ‥‥
区別
以前メディアで取り上げられたが、当時の学生たちは「友達」をヒエラルキー化した。真友、心友、親友、信友…のように区別していた。
大人もある意味区別している。
本音を言える「友達」、相談できる「友達」、遊び「友達」、困った時の「友達」、など。
そんな「友達」という範疇の中には、「友達」と思い込んでいるだけの人もいる。
そもそも「友達」の定義が人によって違うからだが‥‥。大して深みのない「友達」もいるだろうし、そして害になる「友達」もいると思う。
人生を豊かにしたいなら、「友達」の区別、つまり整理をすること、そして清算することが重要になる。
「仲間」も同じ。
「仲間」は人数が多ければ良い、ということでもないが、“目的” を一にした人たちの集まりであって、相性が良いかどうかは別。
考え方、行動スピード、価値観、能力、態度、嗜好性、会話内容など様々な観点から、「仲間」として一緒にいるけど、「友達にはしたくない!」という対象もいるはずだ。
学べる「仲間」、尊敬する「仲間」、威圧的な「仲間」、凶暴な「仲間」、思いやりのある「仲間」、仕事のできる「仲間」、役に立たない「仲間」、リーダー的な「仲間」、天然の「仲間」、愉快な「仲間」、など。
大分類すれば、目的を果たすために、「共に闘える仲間」「闘えない仲間」がいる。後者と一緒に歩んでも良いことはないから、どこかで整理したり、清算したりする。
それから、似たような人ばかりが「仲間」になる環境は、あまりお勧めしない。
色々なカテゴリー、色々な分野の「仲間」がいることで、学ぶことも増えるし、活動の幅も広がる可能性が出てくる。
ビジネスや仕事の「仲間」のみならず、スポーツや趣味などに関することでも「仲間」は存在する。
人は同時期に複数の「仲間」を持つことができるわけだ。
人脈作りの活動
人間関係が苦手な人も多い。
それでも自分の人生にチャレンジしていくことがあれば、苦手とは言っていられない。
「友達」や「仲間」を探し出すという意識よりも、先ずは “人脈作り”、“人のネットワーク作り” を実践していくことになる。
いつしか「友達」や「仲間」が見つかり、その輪が広がっていく。
人脈の作り方は、“目的” の達成(自己実現)を見据えた、自身の望むライフスタイルに合わせて考えていく。
どのような人脈が必要なのか? ――それを考察していく。
例えば、インターネットで全国的な活動を行ないたいと考えている場合、近隣での人脈作りに拘る必要はない。
東京都心で活動したい場合は、都内での人脈作りに集中する方がいい……ということになる。
インターネットによる人脈作りなら、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログなどを利用し、Web上のコミュニティ、オフ会などに参加することも方法の一つ。
そこから、リアルの交流会やイベントなどに参加し、実体の交流を得ることがポイントに。人は、直接会ったことのある人に親密性を感じやすくなる。
アクティブなタイプの人であれば、自らイベントを企画し集客して、交流を深めることも方法の一つ。
ビジネスをしている人ならば、全国同友会や商工会議所などの会員制も選択肢になる。
自分自身に適した複数の方法を探し出し、活かす。
“目的” の達成(自己実現)のための人脈作りは、“利己的” になってしまう恐れもある。“利己的” とはいつも「お願いする」こと。相手の都合より自身のタイミングで「お願いする」人がいる。依頼だけでなく、勧誘などもある。『主催したイベントに参加して!』『LINEグループに入って!』『有料のビジネスサロンに参加して!』‥‥みたいな誘いが多い。
どうしてもお願いする場合は、ビジネスとして金銭を支払うことが無難だ。
「Win-Win」の意識を忘れず、最初は相手に「Win」を与えるほどの心構えが欲しい。
人脈作りは必須。
そのためのスキルと活動が必要だから、日々経験を積み、鍛錬することを忘れてはならない。
コミュニケーションの必要性
インターネット、リアルのどちらにしても、人脈作りにはコミュニケーションは必須。
『人脈作り(人付き合い)が苦手だ!』と思い込んでいる人もいるが、それが苦手というより、「コミュニケーションが苦手」という可能性が高い。
コミュニケーションスキルは、実践によって向上させていくことになる。
コミュニケーションの目的は、意思疎通。
「翻訳(スループットとも言う)」にも関わってくる。相手が伝えようとしているコトを理解する「インプット力(理解力・解読力・傾聴力など)」、自分の意志や思いを伝える「アウトプット力(伝達力・文章力・表現力など)」などが必要になる。
経験上、過度のコミュニケーションスキルを学ぶためのセミナーに参加して学ぶことは必要を感じておらず、すぐに入手できる書籍などで基本的なことを理解しておけば良いように思う。コミュニケーションには、聞き方や話し方も大切だが、翻訳力も重要であることを再度触れておきたい。
メンター、ロールモデル
それから、できる限り見つけておきたい人がいる。それは、メンターまたはロールモデルになる存在。
“目的” の達成(自己実現)のために、模範(理想)となる人、モデルとなる人、知的なアドバイスをしてくれる人、は必ず役立つ。有料でも良いくらいだ。
成長・向上するごとに、ロールモデルを変えていくことで、自身のステップアップを強化していく。