石門心学の石田梅岩(10.12生)名言から学ぶ「CSR」

日本のCSRの原点」 と近年言われ始めた石田梅岩の思想「石門心学」。

※「CSR」=CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)とは、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のことである。

(出所:Wikipediaより)

昨今、企業の不祥事が頻発している中、この思想「石門心学」は、既存企業のみに関わらず、これからの起業家においても重要なものになるでしょう。

※石門心学(せきもんしんがく)とは・・・

日本の江戸時代中期の思想家・石田梅岩を開祖とする倫理学の一派で、平民のための平易で実践的な道徳教のことである。単に、心学ともいう。

(出所:Wikipediaより)

稲盛和夫氏も松下幸之助氏も、石田梅岩の「石門心学思想」に影響を受けていることは一般的にも知られていることです。

学んで商人の道を知れば、
貪欲な心はなくなり、
仁の心で仕事を努めるようになり、
道を外れることなく栄えるのである。
これが商人の学問の徳である。

by.石田梅岩.1685[江戸時代の思想家]
(画像:心学明誠舎所蔵より)

「石門心学」から学べる商人道徳

尽心知性』 (心を尽くして、性を知る)が根本的な教えです。

常に「心」というものをベースとしており、そこには三徳「正直・倹約・勤勉」という価値観を定説としています。

※ここでいう性とは、天から与えられたものという意味。(仏教的なコトバで、仏性=本心=絶対的な善)

この「正直・倹約・勤勉」は、世界共通の「心のあり方」です。

アメリカ建国者の一人ベンジャミン・フランクリンの「13の徳目」にも「正直・倹約・勤勉」が含まれています。

その実践こそ、人間にとっての「正しい生き方」ということでしょう。

石田梅岩は、それを基に「商人道徳」を語っています。

お客さんを粗末にせずに正直に努めれば、
八割方はお客さんの満足を得ることができる。
そのうえで商売に精を出せば、
生活の心配などないのだ。

石田梅岩の「石門心学思想」に抵抗がある起業家・実業家もいるかもしれません。

何故なら、金儲け主義ではない思想が存分にあるからです。

しかし、それでは自業自得、自分で道を止めてしまう結果にもなります。

二重の利を取り、甘き毒を喰ひ、
自死するやうなこと多かるべし。

誤解がないようにしていきたいのですが、ビジネス(商売)として道徳観を説きつつ、ビジネス(商売)のあり方も語っています。

そこには、「継続的なビジネスこそ、社会貢献である」というニュアンスが伺えるからです。つまり、「利益追求は必要である」わけです。

ただし、“二重の利”(暴利)を得ることはあってはならないということです。

学のない所から“二重の利”を取ることを才覚と誤認している商人が多いことを梅岩は嘆いている、と記されています。

もし、起業するにしても、あるいは会社でお勤めであろうとも、そこに利益がない、あるいは暴利では存続は困難となり、それこそ社会貢献どころか、社会に迷惑をかけてしまうことだってあるわけです。

こちらのビジネス基礎「ビジネスとは何か?」にもありますが、「ビジネスの目的は、稼ぐこと」です。そして、顧客満足は、「ビジネスの根幹である」わけです。

ですから、顧客満足の低い、又はないビジネスは、商売ではなく、利己的、詐欺的金儲けということになります。

石田梅岩のコトバに、

仕入れ時にはキズを大げさに言って仕入れ値を下げ、
販売時にはそれを黙って売る。
このような道を外れた不正がたくさんある。
だからこそ学問をして正すのだ。

石田梅岩は、当時から「両者(売手と買手)の利」を強調しています。

そのためにも、学問が常に必要だとしています。

梅岩の言う学問とは、人間学、人間観であり、「人の生き方」に必要な修学です。その人間学、人間観こそ、「原理原則」によるものだと思うのです。

石田梅岩の「商人道徳」又は「商人道」は、現代の「ビジネス道」と何ら変わらないということが言えるのではないでしょうか。

亀岡市梅岩まつりのキャラ「しんがくん」

亀岡市梅岩まつりのキャラ「しんがくん」

京都府亀岡市では“梅岩まつり”など以前あり、石田梅岩を多くの人に知ってもらい、その教えを活かそう!という活動をしています。

参考・・・

石田梅岩と稲盛和夫の思想=石門心学思想の今日的意義との稲盛哲学の比較

一般社団法人 心学修正舎