「7つの習慣」で見る因果論と目的論
あなたは普段、
・主体的ですか?ーー従属的ですか?
・能動的ですか?ーー受動的ですか?
・積極的ですか?ーー消極的ですか?
このように訊かれると、答えることができるかもしれません。
主体的ですか? 反応的ですか?
このような問いには、「ふむっ?」‥‥と思われるのではないかと‥‥(反応的とは聞き慣れないなぁ〜‥‥)と、興味を持とうとしない人は、多分こちらで読むのを止めるでしょう(笑)
Table of Contents
主体的と反応的
反応的とは
コヴィー氏の「7つの習慣」にある一節なのですが、「反応的」とは、周囲の影響(刺激)を受けて行動・情動しているということ。
特に、感情的・情動的な人、受動的な人と言えますが、客観的に自分を評価(制御)できない人であると私は考えています。
これを「反応性モデル」と言います。
反応的な人は、自らの感情、行動をコントロールできないため、人間関係もうまく乗り越えられず、フラストレーションも溜まり、メンタルヘルス不調になり、と色々、ネガティブ的な結果を招く状態・状況の中で生きているわけです。
この考えは、心理学者フロイト学説における決定論(因果論)に由来するものでもあります。
過去(過ぎ去った原因・元凶)に対して、結果論として反応しているというものです。
因果論と言われるように、刺激対象が原因として、その結果反応するタイプなのですが、当然のように聞こえても、実は過去に影響されている、他人に影響されている社会や環境に影響されている、あるいは、自分の中の過去の経験・概念などに影響されて反応をしているということになるのです。
主体性はなく、反応的または受動的な人生であるとも言えます。
その状態では、適正なアイデンティティが形成されにくいので、注意が必要です。
反対に、主体的な人というのは、(正確には、全ての人が備えている)周囲(外部)の刺激と自らの反応の間に、「選択の自由」を持っているとコヴィー氏は提唱しています。
それが、「主体性モデル」です。
「主体性モデル」
その場面場面で、反応自体を自らで意思決定するというものです。
過去のことより、すぐに未来を予想(想像)し、目的にあった反応(正確には手段?)をします。
「反応性モデル」が決定論(因果論)である反面、この「主体性モデル」は目的論になると考えられます。
そして、「選択の自由」に影響する個人の持つ独特な性質であるとしています。
その性質には4要素「自覚」「創造力」「良心」「自由意志」があり、低次欲求や依存状態を超えて新しい人生のプログラムを自ら描くことができるとともに、無限の可能性を与えてくれるのです。
「自覚」・・・自身を客観的に見つめる力・自己認識
「創造力」・・現況を超えて創造する力・知性
「良心」・・・正しい原則を知り、善悪の判断が出来る
「自由意志」・・他のあらゆる影響に縛られず、自覚にも基づいて行動する力
この4つの性質の中で重要なのが私は「自覚」だと考えています。適正な「アイデンティティ(自己認識)」の形成にも繋がるからです。
人によっては、この「自覚」というものに対して大した知識も経験もないのに、「私は自分のことが分かっている」と言うかもしれません。しかしほんの一部の表面的な自分は分かっていても、理解はしていないと言えるでしょう。
「反応的な人」「主体的な人」
反応的な人は、この「選択の自由」ができない、コントロールできないために、情動的(すぐ)に反応してしまい、後々後悔してしまうようなことも起きます。
主体的な人は、未来に起こり得る状況も含め、目的を考え、その時のベスト(ベター)な判断、手段を見出だし、そして行動をするのです。
例えば、
●買い物‥‥
まったく意識になかった、ある商品をふと見て、「これ、いいなぁ!」と思って買ってしまう衝動買いをする人。
「これ、いいなぁ!」と思っても、冷静になって、(家に帰って、それでも欲しいと思ったら買おう)(ランチ後も、欲しくなったら買いにこよう)と、他の選択肢も自分に与えつつ結論を出す人。
●2〜5歳児が病院で騒いでいる時‥‥
「うるさい!」「騒ぐな!」「他の人に迷惑でしょ!」と、怒鳴る人。
(子供は騒ぐのが好き)(人に迷惑かけるという思考はない)(怒れば、今度は泣きわめく)などと思いつつ、他のことに興味を持たせよう、騒いでもいい所に連れて行こう、と子供にとっても周囲にとってもイイ選択をする人。
●自分を変えたいと思った時‥‥
「金がない」「時間がない」「明日からでいいっかぁー」「私には無理」と、結局動けない人。
「金がなくてもできることは何か?」「少ない時間でできることはないか?」「いますぐできることは何か?」「私でもできることは何だろう?」と、自分なりに考えて答えを見つけ、行動する人。
このように、主体的な人と反応的な人とは、全く違う行動になります。
行動が違えば、その後の結果・成果も当然変わります。
因果論(決定論)は、過去にフォーカスし、目的論(予想論)は、未来にフォーカスします。
ということは、何度も言いますが、過去と未来とでは要素が全く違うため、形成されるアイデンティティも変わるということです。
どちらの方が良いか、ご自身の中で考えれば、結論が出ると思います。