ヤングの「アイデアのつくり方」を知ろう
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「アイデアのつくり方」ジェームズ・ウェブ・ヤング
そのプロセスを分かりやすく説明しているのが、
先ほど触れたジェームズ・ウェブ・ヤングの
著書「アイデアのつくり方」です。
このプロセスを要約すると、次の通りです。
※「アイデアのつくり方」というより、
アイデアをつくるための環境つくり、事前準備が焦点になっています。
(確かに、全員が同じプロセスで「ひらめき」があるわけではないでしょうから。)
ヤングの「アイデアのつくり方」では、咀嚼とか放置とか、独特の表現をしていますが、
「SOCAマトリックス」でいうところの「抽象化と具体化」を、
「主観と客観」の立場で実践することにフォーカスされています。
「アイデアのつくり方」の簡単な解説
1)資料・情報集め
「アイデア」を出すためには、「情報・知識集め」が必要です。
SOCAの「実体的見知」になりますが、「アイデア」のための要素、いわゆる
「アイデアの原材料」となる外部情報を入手することです。大きく分けて2つ。
- 一般的知識
- 特殊知識(専門的知識)
「特殊知識」というのは、
自分自身が興味、嗜好、得意、好奇心などのある分野に対するもので構いません。
2)集めた資料・情報の咀嚼
ここでヤングは「心の消化過程」「複数の事実の組合せ」と表現しています。
SOCAの「主観的抽象化と具体化の繰り返し」と考えてください。
咀嚼とは、
食べ物を口に入れた時、噛むことで胃が消化しやすいように細かくすることです。
情報の咀嚼も同様で、
情報を細かく(要素などに)分解することで、消化(吸収)しやすくなります。
(あれは何なのだろう?・・・という状態は、消化不良の状態です。)
「心の消化過程」です。
また、
食べ物を咀嚼して消化する際、何と何とを一緒に食べるとか、何を先に食べるとか、
食べ合わせ(組合せ)などもあったりします。
食べ物は口や胃の中に長時間保管しておくことはできませんが、
情報は脳の中、メモ帳等に保管・保存しておくことが可能ですので、
情報の咀嚼や消化はいつでも可能ですから、組合せ咀嚼・組合せ消化もお好みで出来ます。
「複数の事実の組合せ」です。
3)放置(孵化段階)
「無意識の移行」と表現されています。
SOCAの「主体的抽象」の段階において認識されたものをそのままに
時間をおくということ・・・ようは、放ったらかしでいいということです。
蛹(さなぎ)から孵化しようとするものを温かく見守ります。
ただ、
何もしないということではなく、
想像力や感情に刺激を与えるような時間と環境に身を置くことがポイントです。
例えば、音楽、映画、読書、美術鑑賞、自然でのキャンプなどです。
意識しているものから解放されることが重要です。
4)ひらめき
「ひらめき」は、
アイデアを出そう、出そう、とするところからではなく、
その緊張から解放されたリフレッシュ、休息、くつろぎの状況から
突然舞い降りるが如くに生じるものです。
5)アイデアの検証・具現化
SOCAの「構造化」と「客観的具体化」になります。
ヤングは「内なるアイデアを外に連れ出す」と表現しています。
ようは、アウトプットをするということです。
自分以外の人と情報共有、理解してもらうための構想、立案、計画等を行ない、
何度も検証を行なっていきます。
そのアイデアが有効的なものかどうかということです。
この時、「忍耐」が必要です。
何故なら、知人友人からの批判、反対意見などを受容する場面だからです。
批判されることは良いことで、それを改善していくことにもなります。
「アイデア」を世に出すということは、それなりの覚悟が必要だということです。
これが、ヤングの「アイデアのつくり方」の概要です。
興味がある方は、是非読んでみて下さい。
ページ数が少ないので、じっくり読んでも1時間ほどで読めると思います。
ヤングの「アイデアのつくり方」にしても、SOCAの活動サイクルにしても、
先ず「アイデア」を出すためには、外部の情報収集は必要です。
「歪み」の察知、リサーチなどを行なっていくことになるのですが、
「歪み」については、別ページで説明してありますので、ご覧下さい。