ブランド力とファン化〜信頼度の深さ〜

“ブランド志向”、“ブランドイメージ”、などのワードを分析しても、「ブランド」は顧客(他者・相手側)が持っているイメージ、概念だということがわかります。ブランド力があったはずの企業・老舗の飲食店や著名人が、不祥事・事件によって人々のブランドイメージが崩れると、最悪は倒産や閉店に追い込まれます。しかし、ブランドイメージは個人が抱くものであるため、不祥事の内容と受け止める側によっては「対岸の火事」であり、それほどイメージダウンにならないことも事実あります。
ブランドイメージを作るには時間と労力がかかります。イメージダウンは一瞬です。一度イメージダウンになるとそれを元に戻すのは至難の業なのです。

一般的に言われているブランド・イメージは、発信する側(3CでのCompanyに該当する側)のブランド力に対することと考えられます。

企業などの不祥事として、食品会社や飲食店などを例にあげてみます。

船場吉兆事件やミートホープ偽装事件・・・廃業。

雪印牛肉偽装事件石屋製菓白い恋人賞味期限改ざん事件・・・現存。

このような不祥事の多くは、内部告発で発覚するのであって、内部告発がなければ消費者には見えない部分でもあります。

廃業するか、現存するかは、その時の不祥事内容によりますが、損害賠償などの費用(出費)額にもよるでしょう。マスメディアの偏見報道も結果を左右することは有り得ます。

ここでは、消費者側の感情的受容(受止め方)の差異が影響すると考え、深掘りしていきます。

もし、類似した不祥事だったとして、

「あなたなら、許せる」

「あなたなら、許せない」

ということが起きます。

最近でのエンタメニュースから例をあげると、『不倫した男性タレント』『闇営業していた芸人』などに対して、第三者は「許せる範囲」「絶対許せない範囲」に分類します。

100%全員が同じ意見になるとは思えませんが、許せる、許せないの比率の差は何か・・・・・・

私は、(その一つとして)「ブランド力』があるのではないかと考えます。

ブランド力

人物の不祥事で言えば、

(参考でよく出てくるので)このお方・・・

堀江隆文 堀江貴文氏・・・今尚、健在です!

堀江氏のブランド力はスゴいものがあります。

ライブドア時代はどちらかというと私の嫌いなタイプでしたが、収監されている間の彼の活動で気に入ったという感があり、現在、堀江氏のブログ(horiemon.com)などを閲覧していたりしています。

※堀江氏の紹介ではないので、ご参考に。

人が「ブランド化」されるということは、とても重要なことです。

これは、別記事「私をブランド化する戦略(2)」でもお話ししましたが、「私の生き方、あり方」が「私のブランディング」であるということ。

前記したように、

「ブランド」は、消費者の感情的受容で、生き残ることもできるし、消え失せることもあり得るわけですから、普段からの生き方、あり方を精査しながら、物事を進めていくことになります。

これが、「ブランド力」に直結するのだと感じるのです。

そして、

この「ブランド力」は、別記事「ブランドを構成するもの」で説明した通り、構成するもの、構造的なものの中身で大きく変わってきます。

表面的な薄っぺらいブランド構造ではなく、厚み・深みのある(=信頼度の高い)ブランド構造に仕立てます。

広く浅くではなく、狭く深くです。人間関係(リレーションシップ)と同様だということです。

「ブランド力」は信頼度で成り立っているため、その(消費者との)関係性は、深くなればなるほど力を増します。

不祥事を容認するわけではありませんが、もし大きな失敗などがあった場合にも、

その「ブランド力」が強ければ強いほど、深ければ深いほど、生き残る可能性は高くなるのです。

(規模の大きさではなく、個々の信頼度です。)

ですから、

人の「ブランド」とは、他人の「感情」「意識」に大きく左右される

「震央(震源真上)の私(自分)」であると言えるのです。

brandingブランディング

もう少し解説しますと、他人(消費者)の感情や意識というものが、震源になります。

自分は常にその真上(震源地=震央)にいます。

震源が揺れ動くことで、震度や破壊力(被害状況)が変わります。

震源が浅くて大きいと、震度も大きく、破壊力も大きいものです。

同じマグニチュード数値でも深ければ、震度は小さく、破壊力も小さいものです。

(マグニチュードと震度が比例するわけではありませんが。)

イメージ的に、

ブランド力」を高めることは、いい意味で震源を深い位置におくことです。

深く浸透させるためには、かなりの努力が必要です。

そして、大きく感情を震い動かす(例えば、怒りなど)ことが大きな損害になるのであれば、継続的にブランド力を保持するよう、努めなければならないのです。

裏を返せば、

その深く浸透した他人(信頼度の高い消費者)の感情や意識が、好感的な感情を奮い立たせた時は、その反響力の広がりは凄まじいものです。

この状態になるとファン」になっていますので、

さらに信頼関係が増すと、ロイヤルティ客(優良リピーター)、さらに

エバンジェリスト客(インフルエンサー)となり、

新規客の集客に大きく貢献して頂けるようになります。

そのイメージ図がコチラ「マーケティング・ダブルファネル構想」

マーケティング・ダブルファネル

この「ファン化」にしていくことが、ブランディング」という活動になるのです。

※勿論、それ以外にもありますが・・・。

消費者(顧客)を「ファン化」にしていくことがビジネス・商売に重要なプロセスであるとともに比重も大きいと言えます。

マーケティングとは、ブランディングである。
by. アル・ライズ(戦略家)