成功しないのは「行動するから」である(1)
前回の「成長率4%=0のパラドックス」に関しての続きになります。(別ページ)
(初めての方のために復習もかねて)
(会社の経営的観点で)同じことをやっていたら、年マイナス4%が減少することと同じであり、前年比4%増で、やっと成長率0(トントン)になるという考え方です。現状維持はマイナス成長であることを、流通ジャーナリストの故金子哲雄氏が語られました。
人の成長についても同じことが言えるのかもしれません。いいえ、考え方は同じでしょう。
人の成長と衰退に照らし合わせた時、(4%という数値は該当しないかもしれませんが、)もし、毎日同じことの繰り返しをしている生活だとしたら、歳を取っていく=加齢という明確な要因があるため、現状維持しているのは錯覚であり、身体も心も脳も、衰退しているのは明白です。誰もが理解できる部分だと思います。
例えの数値として、人間の(身体、心、脳の)老化が年1%とします。現状維持のために、1%の老化防止策を施さなければならないということになります。
実年齢より細胞が若い、骨が若い、脳が若い、肌年齢が若い、などの方は世の中に沢山おられます。そのような方は、何か取り組みをされているからだと予想がつきますよね。日々変化のあるモノ・コトの現状維持とは、それなりの労力が必要ということは理解できます。
仕事や会社組織なども同様で、現状を維持する程度の行動でも実際は大変ですが、それ以上の“成功・成長を望んでいる” 場合は、相当な活動が必要となってきます。
Table of Contents
成功・成長をするためには、行動ではダメ
人は仕事を通して経験、ノウハウ、スキルなどが増えます。引き籠もりでネットサーフィンしていても、情報、知識、操作スキルなどは増えます。専業主婦の方がテレビばかり視ている生活であっても、情報・知識はスゴいものです。
しかし、それだけで成功につながることはありません。目的意識のない“ただ”の行動ならば現状維持にもならず、衰退に繋がると考えた方がいいでしょう。
(数値は適当ですが)衰退率が1%ずつであるなら、
1%の成長因子では、結果0(トントン)です。
2%の成長因子で、成長率1%になります。
3%の成長因子で成長率2%、5%の成長因子で成長率4%です。
「成功・成長したい人」は成長因子となる「行動」をとる必要があります。その「行動」が継続されれば、習慣化されます。習慣化された「行動」の質などが、成長率に影響するといっても過言ではありません。
では、「行動」とはそもそも何を指すのでしょう?
「成功しないのは、行動しないからだ!」
というセリフを聞いたことはありますか?
これは、昔から言われている
『成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと』の名言にも繋がるセリフでもあるのですが、確かに、行動しなければ何も生じません。つまり、成功もありえないですが、失敗もないわけです。
衰退と成長・成功の関係をイメージ図として下図のようなものを使います。結果が失敗でも成功でも資産価値が残るけど、行動しなければ衰退になる、というイメージです。
「失敗は、成功の母である」とも言われているように、失敗を恐れず行動し、失敗しながら成功を掴むことができるということですが、失敗を恐れない「行動」とは何なのでしょう?
よくよく考えると、『成功したい。成長したい。』と思っている人は当然行動していますが、『成功したくない』と思っている人は少数派だと思うわけです。ということは、大多数の人は何かしらの「行動」をしていることになります。
『成功しないのは、行動しないからだ!』というのは理解できますが、「行動すれば、成功するのか?」と尋ねられれば、疑問が残ります。『成功しないのは、行動しないからだ!』ということに対して、多くの方が「行動」しているという点では該当しません。
そこで、「成功しないのは、行動するからだ!」というふうに別の考え方をしてみました。
「成功しないのは、行動するからである」
それは、何故だと思いますか?
結論から言えば、「成功・成長=結果」と「行動」がリンクしていない、その「行動」自体に大きな問題があると感じています。問題ある「行動」をするから「成功しない」という結論です。
多くの人が「行動」しているのに、成功する人はほんの一握りです。勿論、「マインドが弱い」「集中力がない」「忍耐力がない」などの精神的(心的)な部分の欠如もあるでしょうが、ここでは「行動」にフォーカスしてみます。
行動している「行動」そのものの問題とは何でしょうか?
それは本当に「行動」ですか?
もし「行動」でないとしたら何なのでしょうか?
「行動」という問題点
まず私が考えたのは‥‥
成功・成長しないのは、「依存的な行動」になっている傾向が強い、ということ。
依存的な行動
例えば「マネ(模倣)すれば簡単に成功する」「言われた(指示された)通りにやれば成功する」という誤解。教えられたこと、マニュアル通りを行なう状況下で、目的より手段(テクニック)が優先され、手段を網羅したのに結果が思わしくないことで落ち込み、続けることができなくなるパターン。
「依存的な行動」から導き出されるのは「成功まで辿り着けなかった」、という結論です。
そこには、
本心の中で「そんな簡単に成功しないだろうけど‥‥」という思いが「やっぱり成功しなかった!」と“諦める理由”付けとして介在、準備されていたのかもしれません。さらに、成功しなかった原因を「成功する方法を教えてくれた人」に責任転嫁できるよう(自分の選択を他者の所為にできる(責任を押し付ける))“逃げ道” を作った上での「行動」であった可能性は否定できません。
これが、「成功しないのは、依存的な行動になっていた」からなのです。
ご存知の通り同じ教えであっても、同じマニュアルであっても、成功・成長する人は実存します。成功・成長している人は、成功しない人と違って単純な行動、依存的な行動ではないと言えるのでしょう。
次に考えたのは‥‥
成功・成長しないのは、「反応的な行動」になっている可能性が高い、ということ。
反応的な行動
例えば自身の「行動」に対する周囲の反応(評価、批評、無視など)に敏感で、それに合わせて(または諦めて)「行動」をコロコロ変えているパターン。
分かりやすく言えば、「中途半端な行動」になってしまい「成功まで辿り着けなかった」、という結論です。
当然実績のない人からすれば、自信もなく、恐る恐る行動し始めることもあるでしょう。経験を積みながら、試行錯誤しながら、小さな結果によって自信を少しずつ付けていくはずですが、自信をつけるまでに至らない人も多いような気がします。小さな自信が、大きな失敗によって崩れ落ちる時もあるかもしれません。特に他人からの(悪い)反応が気になり過ぎて、次に進めない負のスパイラルに陥ると、成功・成長へは程遠くなっていきます。
これが、「成功しないのは、反応的な行動になっていた」からなのです。
つまり、
「成功しないのは、行動するからである」とは、「依存的な行動をするから」「反応的な行動をするから」であり、結果的に「成功へ辿り着けないだけ」ということが言えます。
「成功しないのは、チャレンジしないからである」
「成功しないのは、行動しないからだ!」を、臨場感を出して叫んでみました。
そうです。成功している人は「行動」というより、常に「チャレンジ」しています。
「チャレンジ」は、能動的であり主体的であり、ポジティブです。依存的な行動、反応的な行動とは反対です。
この「チャレンジ」というコトバは、実は日本人が使う場合、「新しいことにチャレンジする」的なイメージで使用しますが、英語圏の人たちの場合、「Challenge(チャレンジ)」は「誰かに戦いを挑む」という意味合いの挑戦であり、日本人がよく使う「新しいことへの挑戦」は「Try(トライ)」と言われています。
「誰かに戦いを挑む」・・・この挑戦(チャレンジ)精神は、リアルに戦いを挑むということでなくても、心のどこかで、「誰か」の存在があると思うのです。
ライバルかもしれない、上司かもしれない、目前にする成功者かもしれない。人でなくてもいいわけで、社会に対してかもしれない、組織かもしれない。その挑戦する姿勢「チャレンジ」が、主体的な行動を生じさせるのです。
ここでは、他者への戦いではなく、自分との戦いの方が妥当でしょう。
今までの自分との戦い、昨日の自分との戦い‥‥という考えです。
では、成功するためには、
「Try(トライ)」ですか?
「Challenge(チャレンジ)」ですか?
どちらを使うかは、個人それぞれの、かつ場面場面で決めてください。
そのように考えると、
「成長しないのは、トライ(Try)しないからだ!」「成功しないのは、チャレンジ(Challenge)しないからだ!」
ということは、
「成長するためには、トライ(Try)が必要であり、成功するためには、チャレンジ(Challenge)が必要である」
如何でしょう?
こちらの方が、受け入れやすいと思いませんか!?(勝手ながら)