会社も人も成長率4%はゼロ成長である意識

世の中には「黄金の数式と法則」というものが、いくつも存在します。

当然ながら全てに該当するわけではありませんが、ただ、「あっそ!そんなのがあるの!」‥‥程度で話が終わってしまうような経営者、上司のいる会社であれば、その会社の成長は望めないかもしれません。

勿論、その法則以上の成果が出ているような会社なら無視してもいいと思いますが、そうでなければ‥‥多少なりとも知っておくべきこと、もあるかもしれませんね。

今回は参考程度ですが、一つご紹介します。

「成長率4%=0のパラドックス」

流通業界での経験値らしいのですが、これに関して触れられた方は、今は亡き流通ジャーナリストの金子哲雄氏です。

ユニークで会話が上手で、楽しい方でした。

流通ジャーナリスト 金子哲雄氏

流通ジャーナリスト 金子哲雄氏

 

さて、

この「成長パラドックス」は流通業界に限らず、どの業界・業態、あるいは個人に至るまで存在する、と私は考えています。

“4%”という数値の差異はあるとしても、会社組織や個人は経験を積み重ねれば、ノウハウやスキルがアップしますので、本来年々成長することが当然なわけです。

この「成長率4%=0のパラドックス」とは、同じことをやっていたら、年マイナス4%が減少することと同じであり、前年比4%増で、やっと成長率0(トントン)になるという考え方です。

前年比アップしてだけで喜んでいる場合ではない数字、だということです。現状維持はマイナスであることを理解しなければなりません。

成長率4%,0のパラドックス

もし、会社運営において経営戦略、営業戦略を現状スタイルで年々、前年比4%増だったとしても、経験度の中で4%増するための手法をそのまま行なっただけで、戦略でも戦術でもないということです。

社員が1年も経れば、多少なりとも成長するでしょうから、4%増では喜んではいられないということが言えます。(この4%という数字に拘る必要はありません。)

当然、目標を高々と掲げることはできます。

ただ、伸び悩む中小企業の多くの場合、「目標は前年比○○%増だ!」と、何の戦略・戦術もなく、何の根拠もなく、数字だけを高目に設定するだけで、

(営業部だったら)「営業をもっと頑張れ!」

(製造部だったら)「もっと生産性(生産数)を上げろ!」

(資材部や開発部なら)「もっとコストを下げろ!」・・・でしょうか。

精神論で終わってしまっている部署も多々あるわけです。

部下が上司に、「どうすればいいのでしょう?」と聞けば、「自分で考えろ!」と一喝。残念ですが、上司も分かっていない場合もあり得ます。

 

上司の現役時代の年代にもよりますが、「オレの時は〜〜〜」と自分自身の昔の経験談を語られても、(参考はなるかもしれませんが、)活用できない場合がほとんどです。

と言っても、上長へ昇格した結果は事実ですから、手法もさることながら、自分を成長させるためにどんなことに取り組んできたのか、を教えてもらうことは良いことでしょう。

最悪なのは、たまたまバブルだったから、とか、たまたま知人からの紹介で結果が出せた、とか、成果はともかく、社長に気に入ってもらって出世した、とか、「たまたま」ということであって、対して努力の欠片も見えないような上司であったなら、諦めて下さい(笑)

少し話しがズレますが、出世したい人は、仕事ができる人ではなく、社長、上司に気に入られることが第一優先だと思って下さい(笑)(著書「権力者」にもそのようなことが書いてあります。)

会社の成長とは、社長の成長でもあり、社員の成長でもあります。

「会社は、社長の器を超えることは出来ない」とも言われている通り、社長・経営者も成長しなければ、会社の成長はありません。

 

例えば、

会社の売上が低迷はせずとも、ここ数年停滞している、もしくは微増であるという状態だったとします。

(リーマンショックなどにより減になった因子も分析した上で)それを、営業部の責任にしているような経営者がいるとします。(実際いるのですが・・・)

先ほどの成長率4%を具体的な例として考えると、それ以上の成長を望む必要が本来あるわけですから、成長率5%と目標設定した場合、営業部員の一般の経験度による成長も含め、5%以上の成長を伴う社内活動、育成をしなければならない・・・と考えるべきと思えても、実際やっていません。

こんな感じではないでしょうか?

 

例えば、コンバージョン(成約率)が3%とします。平均100件営業訪問して3件成約できる、ということです。

5%以上の成長率を考えた時、コンバージョンを4%にアップしよう・・・

4%アップさせるために、ロールプレーイングしたり、あるいは時間とお金を使って接待攻勢したり、・・・従来の方法で社員のスキルアップを図ります。

もし、それでダメなら、4件成約するために130件以上訪問しよう、とするのです。5件成約しようと思えば、170件近く訪問する計算です。

当然、一人当たりの有限時間を考えれば限界がきます。

何か手を打たなければならないのですが、ロールプレーイングや訪問件数を増やすなどは、ある意味現状維持のスタイルのやり方だということに気づかなければなりません。

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ですが気づいていないからこそ、伸び悩んでいるわけです。

最悪、「ブラック企業」などとSNSで口コミされてしまう始末に‥‥。

思考の転換

もし、現状100件中3件(成約率3%)であれば、100件中4件(成約率4%)にしようと思うのではなく、75件中3件(成約率3%)、あるいは25件中1件、という思考にしなければならないのです。

100件中4件と、75件中3件は、結果的には同じなのですが、思考と業務の中身(濃さ)が変わってきます。

別の視点で説明すると、月に稼働日が20日間として、100件で4件ということなら、稼働日15日として、75件で3件、とすることです。

月の実質営業している時間が100時間としたら、100時間で4件ではなく、75時間で3件、とすることです。

そして何より、成長させるのは会社より先に、社員一人一人を成長させなければならない、ということは、社長・経営者も成長しなければならないのです。

「成長率4%=0」にも及んでいない会社が多い世の中です。

だからこそ、成長している企業は、さらに成長するために、成長していない企業は、それ以上に成長をする・・・そのために何をすべきなのかを考えるのは、結局個人だということに気づくべきでしょう。

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