バリュープロポジション=3つの価値基準より=
バリュー・プロポジション
※イメージ図
「バリュー・プロポジション」は、市場における価値基準ポジショニングであるということ。
マーケット(市場・顧客)が求める「価値」と提供する自社プロダクト(商品・サービス)の「価値」がマッチし、かつ、ライバル(競合者)が提供できない(かぶらない)「価値」である、と言えます。(上図参照)
ただ、マーケットが求める価値を、単純なニーズから導き出すのは、ライバルの模倣を容易に追従してしまう恐れがあるため、レッドオーシャン化してしまう・・・というわけです。
さらに、「バリュープロポジション」を単純な「価値」の提案、つまり、コピーライティングやUSPなどプロモーション的に供給側視点での価値情報発信・PRと捉えてしまうと、市場価値訴求からズレてしまうことも考えられます。
「バリュープロポジション」は常に、「市場(顧客)の創造」が目的にあることを忘れてはいけません。
提供したモノ(プロダクト)を顧客(マーケット)に選んでもらわなければならない、ということです。
顧客のTOP(トップオブマインド)になる、ということ。
「私は(他の人と比較することなく)あなたを選びます。」
そんな顧客との関係性を構築していくことになります。
この顧客にとってのTOPになるために、次の3つの価値基準をもとに、経営・事業体制を模索していくことになります。
- 製品の優位性
- 業務の卓越性
- 緊密な顧客関係
この3つのうちの1つでTOPになることが重要です。
「製品の優位性(プロダクト・リーダー)」は、製品の品質・性能など、ライバルがマネできない製品を開発・提供すること。
「業務の卓越性(オペレーショナル・エクセレンス)」は、販売・流通チャネルなどのプロセスが、簡単、スピード、質など、ライバルがマネできないほど、オペレーション水準が高いこと。
「緊密な顧客関係(カスタマー・インティマシー)」は、顧客との親密性・信頼性を強固なものにするノウハウがあり、ライバルがマネできない、充分なレベルのサービスを提供できること。
全てでTOPになることは難しいため、自社・自己の強み(ケイパビリティ)やリソースなどを活かし、一点突破を意識して定めることになります。
ただ定めて活動するだけでなく、ビジネスに成功するためにも、4つのルールを守る必要があります。
それは、
- 3つの価値基準の一つでTOPになること
- 選択した基準でのポジショニングで成長し続けること
- 他の2つの基準でも、適切なレベルに達すること
- 他の2つの基準も向上させ続けること
です。
ライバルも成長し続けるわけですから、自らも成長し続けるということは当然の話し。
もし、個人事業やこれから事業を立ち上げる際、新開発製品など特化したプロダクトがない場合であるなら、「緊密な顧客関係」の価値基準でTOPを狙うことになると考えられます。
そのために、表面的な「ブランディング」ではなく、「ブランド・エクイティ」(無形資産価値)を踏まえて、「ブランド構成」を行なうことになるでしょう。
それには、人格・品性を伴うことになります。本来の「ブランド構造」を理解すれば、それを実践するプロセスになるわけです。
これが、提供する「価値」に付加していくわけです。