プロダクトライフサイクルとイノベーター理論

 市場の動向を探りつつ、またプロダクト(商品・サービス)の制作・販売において、参入のタイミングというのは重要なポイントになります。その判断の目安にされてきたのが、「プロダクトライフサイクル」です。最近では、そのスパン(間隔)が狭くなってきている(流れが速くなっている)ということはありますが、逆に広ーい(流れが遅い)市場もあったりしますので、その動向をも見極める一つの資料と考えてください。

プロダクトライフサイクル

過去の売れているどんなプロダクト(商品など)も、市場においては下図のライフサイクルを辿ると言われているものです。

そのサイクルとは、導入期、成長期、成熟期、衰退期です。

売れない物は、このサイクルを辿る前に消えていきます。

product_lifecycle

ある種のプロダクトが、市場で売れ始める(需要が増える)と自社では増産体制するのですが、他社(ライバル)が類似のプロダクトを制作し、市場に参入してきます。(上図の参入タイミングの箇所)

そうすると、成長期は一気に市場を潤し、供給が増えて全体の売上が増えていきます。

需要と供給のバランスが取れ始めると、成熟期(安定)となります。

その後は、消費者の次のウォンツなどによって、別の種あるいは進化型のプロダクトへと意識・消費が移行しますので、もとの種のプロダクトは徐々に衰退していきます。(衰退期

この流れが、「プロダクト・ライフサイクル」です。

この市場での売上(縦の軸)と時間(横の軸)は、プロダクトの寿命の長短、流行の度合い、速さ、リピーター率などで大きく左右しますので、これを読むことは難しいことですが、「参入タイミング」と「進化型導入」の時機は、ある程度マーケティングの中で見極めていく必要があります。

当然確実性という意味では低い場合もありますが、市場の様子、他社の動向を見過ぎて参入に立ち後れてしまうと、売上予想を大きく下回るような結果になることもありますので、この決断は経営者、営業企画担当において重要な役割とも言えます。

さて、ここでもう一つの決断すべき材料として、市場における消費者側の動向を見つめることになります。

イノベーター理論

これは、米国教授エベレット.M.ロジャース氏(1962年)の提唱している「イノベーター理論」と言われるもので、消費者の動向、参加度合い、プロダクト採用(購入)の状況を時間的な分類として5つに区別したものです。

product_innovator

イノベーターは革新者、アーリーアダプターは初期採用者、アーリーマジョリティは初期追随者、レイトマジョリティは後期追随者、ラガードは遅滞者となります。

イノベーターは市場に敏感で、新商品に飛びつくタイプです。

アーリーアダプターは新商品に対する情報収集が早く、その必要性・ベネフィットを理解し、決断も早いタイプなります。

このアーリーアダプターの口コミ、評価は市場に大きく影響させ、アーリーマジョリティはこのアーリーアダプターの評価によって、購入に踏み切るタイプです。

そこで考えなければならないのは、どのタイプの消費者をターゲットにするかということです。

イノベーターを掴んでおくためには、ある程度ブランディングができている状態でしょうから、ファン客がイノベーターになってくれれば大きな収益になります。

次のアーリーアダプターを掴むためも同様で、ブランディングも重要ですし、ベネフィットなどもポイントになります。

事業展開としては、このイノベーターとアーリーアダプターを掴んでおくことは、とても魅力のあるターゲット層になると思います。

ただ、そのターゲット層を掴むためには時間と成果が必要です。

ですから、事業立ち上げ当初、参入当初はアーリーマジョリティをターゲット層にしていくことが魅力的だと思います。

場合によっては、あるプロダクトの成熟期における進化型を発信することで、プロモーションによっては、イノベーターを掴むことができる可能性もあります。

そのためにも効果的なプロモーション手法を知っておくこともポイントです。

参入時のターゲット層を掴む戦略をどのように企てるか・・・ということですね。

「プロダクト企画」(1)についてはコチラ>>